クローン病は、長期にわたって定期的に治療するのが望ましい病気です。薬の服用、注射と合わせて忘れてはならないのは栄養摂取をいかに適切に行うかということです。クローン病の適切な治療について東京山手メディカルセンター副院長、炎症性腸疾患センター長高添正和先生にお話をうかがいます。
ですから、栄養摂取の問題は非常に重要視されます。従来、在宅の栄養療法を行うと、「栄養状態」は良くなります。しかし、「栄養状態」が良くなることと「クローン病そのもの」が良くなることはイコールではありません。治療をすすめる過程で、「栄養状態が良くなったら病気が良くなった」という表現をする患者さんが大勢いらっしゃいますが、これは必ずしも正確な表現ではないということです。
潰瘍性大腸炎とクローン病は、芸能人の方の告白などで近年認知度を高めつつあります。東京山手メディカルセンターでも、新規外来と定期的な通院の患者さんを合わせて年間3,486人のIBD(炎症性腸疾患)患者さんが来院されます。ただ、認知度の高まりとともに懸念されるのは、IBDとしてひとくくりにされてしまいやすいこの2つの病気には大きな違いがあることです。
潰瘍性大腸炎は、常に悪い状態が続くわけでなく、状態が非常に良い時もあります。そのため、悪くなった時に治療を行うというスタンスが基本です。対してクローン病は、一見良い時があるようでもそれは低空飛行でしかなく、おおむね常に悪い状態であることがほとんどです。ですから、クローン病には定期的な治療が必要で、その治療を長く続けるためにもまた工夫が必要なのです。
長期にわたる治療において最も重要なことは?
クローン病を長期的に治療するために適切な方法を挙げるならば、まずは定期的に薬を服用し注射を打つことです。そして、一日で必ず摂らなければならない栄養をいかに適切に摂取していくかが重要になります。ただし、そこで忘れてはならないのが前述したバクテリアの働きです。栄養摂取、つまり食べ物を摂取するということは必ず腸内細菌(バクテリア)の作用を受けてしまうことになります。ですから、このバクテリアの作用をいかに抑えていくかが、今後のクローン病治療において重要なポイントとなるでしょう。
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