
従来、クローン病の栄養療法は「栄養状態」を良くすることだけを目的にされてきました。しかし、もはやそれだけでは栄養剤の意味をなさないと東京山手メディカルセンター副院長、炎症性腸疾患センター長高添正和先生はおっしゃいます。新しい栄養療法の考え方についてお話をうかがいます。
「炎症」は、いつも小さな点からスタートします。川の流れを想像してみてください。上流には水の湧き出る源があって、絶えず流れていくと細く緩い流れから広く大きい流れに変わっていきます。炎症も同じように広がっていくと考えると、従来の治療はすでに大きくなった川の流れを「堰き止める」治療でした。この方法では、はじめに堰き止めた部分から水(炎症)がこぼれたら次の段階の薬を使い、2番目に堰き止めた部分から水(炎症)がこぼれたらまた次の段階の薬を使い、最後の堰き止めから水(炎症)がこぼれたら手術をするしかありません。つまり、水(炎症)が湧き出る源を止めないことには、効果の薄い治療の繰り返しになってしまうので
『長期にわたるクローン病治療で重要なことは適切な栄養摂取』で述べたように、一日に必要な栄養を適切に摂取することは、長期的な治療を行ううえで非常に重要です。しかし、炎症を抑えないことにはクローン病の根本治療にならないと考えると、栄養状態を良くすることだけではもはや栄養剤の役割を果たしているとはいえません。今後のクローン病の栄養療法においては、「栄養」の概念を変える必要があると感じます。
たとえば、IBD(炎症性腸疾患)の在宅栄養療法でよく使用される成分栄養剤は、非常に効果が高い栄養剤です。しかしこの薬剤は、「栄養状態が良くなる」だけではなく、「クローン病の症状緩和に効果が高い」のです。もちろん栄養状態もよくなりますが、「炎症を緩和する」ために確実に効果があるのです。
実は、このような成分栄養剤の効果について現在まで「なぜ効く」のか患者さんに対して明確に提示されてきませんでした。成分栄養剤は、ほかの半消化態栄養剤とともに長きにわたって「栄養状態」を良くする効果だけが評価されてきたからです。
成分栄養剤以外にも、クローン病の治療において使用される半消化態栄養剤にはいくつか種類がありますが、これらの栄養剤はなぜクローン病に効くのか明確な理由はわかっていません。さらに、これらの栄養剤が「効く」のは、唯一「栄養状態を良くする」ことに「効く」のであって「炎症を良くする」ことにはつながりません。
では、なぜ成分栄養剤が栄養状態のみならず症状を良くするのかといえば、成分栄養剤に含まれるアミノ酸がマクロファージ(炎症を引き起こすTNFαなどを出す細胞)の活性化を抑える役割を担っているからです。ひいてはTNFαなど炎症のもとになる物質の発生をブロックしてくれることもわかっています。ですから、栄養療法のなかでも特に成分栄養剤がクローン病に効くのは、栄養状態をよくするだけでなく「炎症を抑える」、クローン病の病気そのものを良くする働きがあるためなのです。
周辺でクローン病の実績がある医師
東京女子医科大学病院 病院長、消化器・一般外科 主務/教授、炎症性腸疾患外科学分野 基幹分野長
内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
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総合東京病院 消化器疾患センター長
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北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長
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東京山手メディカルセンター 副院長/消化器内科・炎症性腸疾患内科:IBD 炎症性腸疾患センター長
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東京都立小児総合医療センター 小児消化器科 医員、順天堂大学小児科 非常勤助手
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