治療
クローン病と診断された場合は、症状や重症度に合わせて次のような治療が行われます。
食事療法
小腸や大腸に発症している場合は、炎症が起きている部位の刺激を避けるため、絶食して点滴による栄養管理を行ったり、腸への刺激が少ない栄養剤を経口摂取したり、また鼻から腸管内に管を挿入して注入したりする治療が行われることがあります。炎症が落ち着いている場合は、バランスのよい食事を取るように心がけます。一般的に、腸への刺激を抑えるため脂肪分や食物繊維の少ない食事を取るなどの栄養指導が行われます。
薬物療法
強い症状が現れているときには、炎症や過剰な免疫作用を抑えるための5-アミノサリチル酸製薬、ステロイド、免疫調節剤・生物学的製剤などによる薬物療法が行われます。
また、クローン病は再発を繰り返すことが多いため、症状が改善しても再発を予防するために継続した薬物療法が必要となります。
手術
小腸や大腸の内部が狭くなる、腸の壁の穴が開く、膿の塊ができるといった合併症がある場合には、それらを改善するための手術が必要になります。炎症が強い部分は同時に切除することも少なくありません。
内視鏡治療
大腸の内部が狭くなって便通に支障をきたしており、年齢や全身状態などから手術をするのが難しい場合は、内視鏡を用いて狭窄した部位を広げる治療を行うことがあります。
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