検査・診断
視力検査、眼底検査、蛍光眼底造影検査、網膜電位図、全身検査などを行います。
視力検査
網膜動脈分枝閉塞症の場合は視野の一部のみが欠け、視力には影響がない場合もありますが、視力に重要な部分に発症した場合や網膜中心動脈が閉塞した場合、著しく視力が低下します。視力検査で使用するランドルト環がみえなくなるほど視力は低下し、指数弁(目の前の指の本数がわかる)、手動弁(目の前で手をふっているのがわかる)、光覚弁(光がわかる)程度まで低下します。
眼底検査
虚血となった網膜の内層は浮腫を起こして、白濁してきます。網膜外層のみで形成される網膜の中心部分の黄斑部には変化がありませんが、周囲の網膜内層が白濁するため、相対的に黄斑部の赤みが強くなったようにみえます。これをcherry red spot(桜実紅斑)といいます。網膜の白濁やcherry red spotは発症直後すぐにはでてきませんので、網膜動脈閉塞を疑って眼底検査を行い、網膜の白濁やcherry red spotを指摘できなかったとしても網膜動脈閉塞症ではないといいきれません。
網膜動脈分枝閉塞症の場合、閉塞部位に栓子を確認できることがあります。不完全閉塞の場合は網膜の白濁はなく、軟性白斑が散在します。視力障害も比較的軽度で、改善することがあります。
蛍光眼底造影検査
網膜・脈絡膜の循環動態を調べる検査です。網膜動脈が閉塞すると、動脈への色素の流入の欠損や、遅延がみられます。網膜動脈圧の低下のため、静脈から血液が逆流することがあります。網膜動脈閉塞を発症しても、その後閉塞が解除され、正常な蛍光眼底造影検査の結果がでることもあります。
網膜電位図
網膜電位図を使用することでどの血流が障害されているか鑑別することができます。
全身検査
採血や超音波検査で網膜動脈閉塞を発症させる疾患がないかどうかの全身検査が必要です。全身疾患が指摘されればその治療も必要となります。
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