じゅうかくえん

縦隔炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

縦隔炎は、心臓や大動脈、食道、胸腺、甲状腺など、さまざまな臓器が含まれる「縦隔」と呼ばれる空間に炎症が生じた状態のことを指します。縦隔炎では慎重かつ迅速な対応が求められます。縦隔炎を発症すると、胸の痛み、呼吸のしづらさなどを自覚するようになります。治療では、抗生物質の投与やを排泄するためのドレナージ処置などを行います。

原因

縦隔炎は、食道に穴があいてしまった場合、頭頸部領域に感染症が生じた場合に続発する形で発症することがあります。食道に穴があくと縦隔に空間的な交通性が生じるため、口腔内の病原体が直接的に縦隔に広がり縦隔炎が生じます。

また、頭頸部領域から縦隔にかけては解剖学的に感染が広がりやすい構造をしているため、頭頸部の感染症が縦隔炎を引き起こすこともあります。縦隔領域には数多くの重要臓器が存在しており、これらに対する手術や医療行為(胃カメラなど)に関連した合併症としても縦隔炎が発症することがあります。

縦隔炎は慢性的な経過をたどることもあります。慢性的な縦隔炎は、ヒストプラズマ(真菌のひとつ)や結核といった病原体に感染することで発症します。

症状

縦隔炎を発症すると、胸の痛み、呼吸のしづらさなどの胸部症状を自覚するようになります。つばやものを飲み込んだ際に痛みを自覚することもあります。

縦隔は胸部に存在しているため、胸部症状がみられることがありますが、胸部症状がはっきりせず発熱や頻脈などの全身的な症状だけが出現する場合もあります。慢性的な縦隔炎の場合は、急性経過の縦隔炎と比較して症状が乏しく、自覚症状がないことも少なくありません。

そのため、別の理由で撮影された画像検査により初めて病気の存在を指摘されることもあります。

検査・診断

縦隔炎では、炎症性病変を評価するために血液検査が行われます。また、縦隔に炎症が生じていることを確認するために、胸部単純レントゲン写真やCT検査といった画像検査も行われます。

縦隔炎では、原因となっている病原体を特定するための検査も行われます。傷口や、血液などを検体として、培養検査や抗生物質に対する効き具合を決定するための感受性検査が行われます。しかし、原因菌を正しく検出できていない可能性もあるため、結果の解釈については慎重になされます。

治療

縦隔炎では、抗生物質の投与やを排泄するためのドレナージ処置などを行います。抗生物質は、原因となりうる病原体に対する効果が期待できるものが選択されます。

その他、口からの食事摂取を避けること、充分な補液を行うことなども検討されます。急性の経過で発症する縦隔炎では特に、放置することで炎症が広がり重篤な状況(最悪の場合には死に至ることもあります)をもたらすことが懸念されます。そのため、早期に診断し、迅速に適切な治療へとつなげることが重要です。

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