治療
発育性股関節形成不全の場合
診断時の月齢などによって変わってきますが、もっとも多い生後3~6か月頃の場合には、まずリーメンビューゲルという装具を使って、自然整復(元の位置に戻ること)を試みます。リーメンビューゲルによる治療で改善しない場合には、全身麻酔下に医師が手で股関節を整復する徒手整復や、足を持続的に引っ張る下肢牽引療法で整復を試みます。それでも整復が困難な場合や、1歳以降に診断された場合は手術で整復を行います(観血的整復術)。
外傷による場合
骨盤と大腿骨の位置関係を元に戻すために整復を行います。股関節脱臼後に大腿骨頭(大腿骨の丸い部分)の血流が障害されると、大腿骨頭の骨の細胞が死滅する骨頭壊死が起こることがあります。整復が遅れると骨頭壊死のリスクが高まるため、早期治療が非常に重要です。骨盤壊死を起こした場合は、骨切り術という手術や人工股関節による治療が検討されます。
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