はいえんくらみじあかんせんしょう

肺炎クラミジア感染症

別名
クラミジア肺炎
最終更新日:
2018年08月02日
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2018/08/02
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概要

肺炎クラミジア感染症(クラミジア肺炎)とは、クラミジアと呼ばれる微生物に感染することによって引き起こされる肺炎のことを指します。

クラミジアによる肺炎は、5類感染症に指定されており、日本においてその発生動向が報告されています。これによると、本邦においても本疾患を含むクラミジア肺炎は毎年発生しており、看過することができない病気といえます。

*5類感染症とは、「国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症」と定義されています。

原因

クラミジアと呼ばれる微生物を原因として引き起こされます。具体的には、クラミジアニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)とクラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)が挙げられます。

クラミジアニューモニエは、この病原体に感染した人の気道に存在しています。そのため、咳をきっかけに飛沫として周囲環境へばらまかれてしまい、それを体内に取り込むことで感染(飛沫感染)が成立します。

一方、クラミジアトラコマチスは性感染症を引き起こす病原体です。通常、クラミジアトラコマチスは成人に肺炎を起こすことはないですが、赤ちゃんが感染すると肺炎を起こす危険性が高まります。赤ちゃんへの感染は、クラミジアトラコマチスが膣周辺に感染した状況で妊娠し、経膣分娩で赤ちゃんを出産する際に起こります。

症状

クラミジアニューモニエもしくはクラミジアトラコマチスによる肺炎は、感染から1か月ほどして発症します。咳や鼻水、痰、声枯れなどの症状が現れます。

新生児や乳児に発症した際には、活気不良や機嫌の悪さ、哺乳力の低下といった症状が前面に出ることもあります。また、クラミジアトラコマチスは、新生児に結膜炎を引き起こすこともあり、涙目や充血、目やになどの症状を伴うこともあります。

検査・診断

肺炎の存在を確認するために、胸部単純レントゲン写真、肺CT検査などの画像検査は必須です。

また、クラミジアが肺炎の原因であることを特定するための検査も同時に検討されます。クラミジアニューモニエやクラミジアトラコマチスなどの病原体に感染すると、人の体内ではそれを排除するための免疫反応が引き起こされ抗体が産生されます。

この抗体を血液検査にて測定することで病原体に対して感染したかどうかを判定することがあります。一回の検査のみでは判断がつかないこともあるため、複数回血液検査を行うことがあります。

また、クラミジアはクラミジア特有の遺伝子配列を有しています。こうしたクラミジア特有の遺伝子を確認することで、病原体の存在を証明することもあります。

具体的には、咽頭拭い液や痰などを使用して、PCR法と呼ばれる遺伝子検査を行います。そのほかにも、直接的にクラミジアの培養を行い、病原体の存在を確認することもあります。

治療

クラミジアによる肺炎は、病原体に対して有効性が期待できる抗生物質を用いて治療します。具体的には、マクロライド系やテトラサイクリン系といった抗生物質が適応になります。

ただし、テトラサイクリン系は成長期のお子さんに使用すると、歯が黄色くなる、骨の成長に障害が出るなどの副作用が生じる危険性があるため、使用を控えることが多いです。

予防

クラミジアに対して感染をしない予防策を講じることも大切です。クラミジアニューモニエに対しては飛沫感染による感染を予防するため、手洗いやうがい、マスクの着用などを行います。

また、クラミジアトラコマチスは、基本的には母親の性感染症の一環として赤ちゃんに生じる病気です。性感染症を起こしている場合には、お母さんがきっちりとした治療を受け、経膣分娩の際に赤ちゃんに病原体をうつさない努力が必要です。

同時に、パートナーが治療を受けることも必要です。また、性感染症にかかるリスクを避けるためにも、不特定多数の方との無防備な性交渉は避けることが重要です。

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