いかすい

胃下垂

最終更新日:
2024年05月29日
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2024/05/29
更新しました
2018/06/28
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概要

胃下垂とは、胃が正常な位置よりも低い位置にある状態を指します。

胃には食べたものを消化する役割がありますが、胃下垂では胃の機能が低下することがあり、食べ物の消化に悪影響を及ぼすことがあります。

多くの場合は無症状ですが、食べ物が胃の中に停滞しやすく消化に負担がかかるため、腹痛や腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、食後の胃もたれなどの症状がみられることもあります。

特に症状がない場合は治療を行う必要はありません。しかし、胃の筋肉の緊張が低下して胃の動きが鈍くなる胃アトニーに伴う消化器症状などがみられる場合は治療が必要です。また、治療を必要とするか否かにかかわらず、食事や運動などの生活習慣を見直すことが重要です。

原因

胃下垂は、虚弱体質など生まれつきの要素が大きく関連するとされ、必ずしも全てのケースが病気であるとはいえません。

胃の筋肉や脂肪が少ない痩せ型で身長の高い人がなりやすいとされていますが、発症には腹部の圧力の低下など複合的な要因が関連していると考えられています。そのほか、ストレスや暴飲暴食、過労、急激な体重の減少、複数回の出産、腹部の手術などによって起こるケースもあるとされています。

また、比較的女性に多く発症する傾向にあります。

症状

多くは無症状で経過しますが、さまざまな消化器症状がみられるケースもあります。

具体的には、胃の筋肉の緊張が緩んで動きが鈍くなる胃アトニーを伴い、腹痛や腹部膨満感、食欲不振、吐き気、食後の胃もたれや下腹部の膨れなどがみられます。また、このような症状はストレスや過労、暴飲暴食などによって引き起こされやすい傾向にあります。

検査・診断

胃下垂が疑われる場合には腹部の画像検査が行われます。画像検査では、バリウム(造影剤)を内服して胃のX線撮影を行います。

X線検査の結果、通常よりも胃が低い位置にある場合には胃下垂と診断されます。

また、類似の症状を示すことがある病気と区別するために胃カメラ検査(胃内視鏡検査)が行われることもあります。

治療

胃下垂と診断されても、特に症状がない場合は治療を行う必要はありません。

しかし、胃アトニーに伴う消化器症状などがみられる場合は治療の対象となります。治療は基本的に薬物療法が検討され、症状に応じて消化酵素薬や胃腸機能調整薬などが用いられます。

また、治療を必要とするか否かにかかわらず、生活習慣の改善が必要です。

生活習慣の改善

胃下垂を認める場合には規則正しい生活を心がけることが重要です。ストレスを解消し、暴飲暴食を避けてバランスのよい食生活を心がけることが大切です。

また、冷たすぎるものや熱すぎるものは胃に負担をかけるため、可能な限り避けるようにしましょう。1回あたりの食事量を減らし、頻回に分けて食事を取ることも効果的とされています。

このほか、適度に脂肪をつけることや腹筋を発達させることも胃下垂の改善に有効と考えられており、食生活の見直しとともに適度な運動を行うことも重要です。

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