治療
腟欠損では、性交渉をおこなえるようにするため腟の形成を図ります。治療を行うかどうかは、性交渉に対しての理解が十分になされた状況であるかが重要です。卵巣の発達は基本的には正常であるため、ホルモンの補充療法は必要ありません。
膣の欠損状態によってはプロテーゼと呼ばれる器具を用いて保存的に膣の拡大を図ります。一日のうちに定期的に使用し、皮膚の伸張を通して膣の拡大を図る治療法です。保存的な方法で膣の拡大が充分図れない場合には、手術的な治療方法が選択されます。手術方法はさまざまであり、腹腔鏡を用いた侵襲性の低い方法がとられることもあります。こうした治療方法をとることで、通常の性交渉が行えるように対処します。なお、膣の分泌物が十分ではないこともあるため、潤滑剤を使用することもあります。
腟欠損では、子宮が欠損することも多いため妊孕性(にんようせい:妊娠する能力)の問題も出てきます。卵巣の機能は保たれており、代理母などの手段をとることでお子さんをもうけることは医学的には可能です。ただし、2018年の時点で、日本国内で実施することができないのが実情です。
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