ようついあっぱくこっせつ

腰椎圧迫骨折

最終更新日
2018年12月14日
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2018/12/14
掲載しました。

概要

腰椎圧迫骨折とは、腰椎の椎体(ついたい)(背骨を形成する平べったい骨)に縦軸方向の外力が加わることで生じる骨折です。

交通事故などで生じる非常に強い外力が原因で生じることもあれば、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)がんの骨転移などによって椎体骨が脆弱化(ぜいじゃくか)する(もろく弱くなる)ことで、非常に弱い外力が加わるのみで生じることもあります。前者の場合は若者を含めてすべての年代で生じえますが、後者のような場合は高齢者に多いのが特徴です。

腰椎の内部には重要な神経が走行しており、腰椎圧迫骨折を生じて変形した椎体骨などがこれらの神経を圧迫すると、骨折による痛みの他にもしびれや筋力低下などの神経障害を引き起こすことがあります。

原因

腰椎圧迫骨折は、腰椎の椎体に縦軸方向の外力が加わることで、椎体が上下から圧迫されて、潰れた状態になる骨折です。

本来、椎体は体を支えるため非常に強固な構造をしていますが、交通事故や転落事故などで日常では加わることのないような非常に強い外力が作用すると骨折が生じます。

また、骨粗鬆症がんの腰椎転移などによって椎体の構造が脆弱化している場合には、しりもちをつく・腰をひねる・重い荷物を持ち上げる、といった際に微細な外力が加わるだけで骨折を生じることがあります。これらのケースでは、全くきっかけもなく発症することすらあります。

症状

骨折が生じると、骨折部を中心に非常に強い痛みが生じます。とくに体を動かすと痛むことが多いです。たとえば布団から起き上がる・椅子から立ち上がるなど、腰部に負担がかかる動作が困難になることが非常に多いです。しかし、中にはごく軽い痛みしか訴えない方もいるため、症状が軽いから骨折がない、とは必ずしもいえません。

また、椎骨の脆弱化が関与する圧迫骨折では、複数の椎骨に骨折を生じるケースが多く、将来的に円背を引き起こすことがあります。

検査・診断

腰椎圧迫骨折は、基本的にはレントゲン検査で診断することができますが、怪我をした直後では、まだ骨の形が保たれているために診断がつかないこともあります。1回だけのレントゲンでは診断がつけられないことも多いため、経過や症状と併せて判断することになります。

レントゲン検査で腰椎圧迫骨折が疑われた場合、神経症状などがある場合にはCTやMRI検査が行われます。

治療

腰椎圧迫骨折では、基本的にはコルセット装着などによって患部を安静に保ち、骨癒合(ゆごう)が生じるのを待つ保存的な治療が行われます。しかし、強い外力による圧迫骨折で、骨折部の変形が神経を圧迫している場合や、痛みが改善しない場合などには、手術によって神経圧迫を解除することもあります。

椎体の変形によって強度な腰の変形が生じている場合や、骨自体が(もろ)くなっている場合には、椎体に骨セメントを注入して潰れた椎体を補強する「Baloon kyphoplasty:バルーン椎体形成術」が行われることもあります。

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