検査・診断
海外への渡航後しばらくしてから高熱が続いた場合は腸チフスが疑われ、渡航先での腸チフスの流行状況や感染が疑われる時期と潜伏期間などについて問診・診察が行われます。それらの情報や症状から腸チフスの可能性があるときには、培養検査や血液検査が行われます。
培養検査は採取した検体から菌を増殖させ、病気の原因となる菌を調べる検査です。血液、尿、便、胆汁などにチフス菌の存在を確認できれば、確定診断に至ります。
発症後1週間は血液中、第2病週以降は尿・便からの検出率が比較的高いといわれています。しかし、これらの培養検査は検出率が高くないため、複数回培養検査を行ったり、骨髄の一部を採取して培養検査を行ったりするケースもあります。近年、特に南アジアや東南アジアで耐性菌*が増加したため、培養検査の際に検出された菌で薬剤(抗菌薬)に対する感受性を確認する必要があります。
なお、血液検査では白血球や血小板、好酸球などを確認します。特徴的な所見としては、白血球・血小板は正常〜低値で、かつ好酸球の減少がみられることです。
*従来の抗菌薬が効きにくいタイプに変化した菌
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