症状
チフス菌が体内に入ると、通常1~2週間の潜伏期間を経て症状が現れます。症状は経過とともに、4つの病週(段階)で変化するとされています。
第1病週
潜伏期を経て、チフス菌がリンパ管を通って血液中に入ると40℃前後の高熱が出て、下痢や便秘の症状が現れます。第1病週末に腸チフスの“3徴”とも呼ばれる以下の症状がみられますが、3徴全てが現れることはまれとされています。
- バラ疹(胸腹部に現れるピンク色の皮疹)
- 脾腫(脾臓が腫れること)
- 比較的徐脈(高熱のわりに脈が速くない)
第2病週
40℃前後の熱が続き(停留熱)、混迷状態となったり、チフス顔貌といわれる無欲状顔貌(表情に乏しい状態)や難聴などの神経症状が現れたりします。
第3病週
熱の上がり下がりを繰り返します(弛張熱)。
第4病週
解熱して回復します。第4病週に至るまでには4週間程度かかります。
重症例では第2~3病週に腸から出血したり(腸出血)、腸に穴が開いたりする(腸穿孔)ケースもあります。
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