しつがいなんこつなんかしょう

膝蓋軟骨軟化症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)とは、膝蓋骨(しつがいこつ)(膝頭の骨)の裏側にある軟骨に異常があらわれる障害のことです。

膝蓋軟骨軟化症は、若年層に多くみられる「ひざに痛みを生じる病気」として知られています。膝頭(ひざかしら)の骨の裏にある軟骨に変形や破壊がおき、ひざ関節の前方に痛みがあらわれます。

一般的に、膝蓋軟骨軟化症が悪化することで、変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)(年齢をかさねてひざの軟骨がすり切れることなどで、ひざに痛みがあらわれる病気)へと進展することはまれと考えられています。

その理由として考えられることとしては、膝蓋軟骨軟化症でおこっている軟骨の変形がとてもゆっくり進むこと、また変形がおきているあいだになんらかの軟骨の修復反応がおこることなどが挙げられています。

原因

膝蓋軟骨軟化症は、繰り返しひざに負荷がかかるとき、特にジョギングなどのスポーツをおこなう場合に発症しやすいと考えられています。

膝蓋軟骨軟化症の発症要因としては、もともと膝蓋骨と大腿骨の適合性が悪い(関節のはまり具合が浅めなど)という構造的な問題や、ひざの関節に軽い損傷が繰り返し起こることなどが挙げられています。しかし詳細な発症原因はまだ明確にされておらず(2018年9月現在)、いくつかの原因が挙げられて議論されているものの、結論はでていません。

膝蓋軟骨軟化症は、変形性膝関節症の初期症状、あるいは前段階の症状と近いのではないかと考察する研究報告があります。しかし、実際に変形性膝関節症へと進行するものは少ないという報告や、発症の年齢や条件に違いがみられることなどから、ふたつの病気はまったく同じ病態であるわけではなく、少なからず異なる点があるものと考えられています。
*膝蓋軟骨軟化症は若年層、変形性膝関節症は高齢層で多く発症すると考えられています。

症状

膝蓋軟骨軟化症では、膝周囲や裏側に鈍い痛みが現れますが、腫れなどはみられません。

主にひざの前方に痛みがあらわれやすく、とくに屈伸(くっしん)をしたときに痛みが強まります。

そのため、以下のような状況で痛みが悪化することがあります。

  • 階段の昇り降り
  • 長時間座っているとき
  • 走るとき
  • 椅子から立ち上がるとき

など

検査・診断

膝蓋軟骨軟化症では以下のような検査がおこなわれます。

  • 診察(問診、視診、触診など)
  • 画像検査(MRIなど)

など

まずは診察でどのような症状があらわれるのか、いつから症状があらわれているのかなどを確認します。

また、ひざの腫れはあるか、圧痛はあるか、足をどのように動かしたときに痛みを感じるのかなどを調べていきます。

画像検査としてはMRIなどがおこなわれます。膝蓋骨のうらの軟骨にどのような異常があらわれているのかをあきらかにして、膝蓋軟骨軟化症に特徴的な所見がみられるかどうかを調べていきます。

似ている疾患としては、骨軟骨骨折(こつなんこつこっせつ)膝蓋骨後面欠損(しつがいこつはいめんけっそん)離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)などが挙げられます。それぞれMRI画像検査の結果や、患者さんの既往(これまでどのような外傷を負ったのか)などをあきらかにして鑑別をおこなっていきます。

治療

膝蓋軟骨軟化症では以下のような治療がおこなわれます。

  • 保存療法
  • 理学療法
  • 薬物療法
  • 手術療法

など

初期の痛みに対しては、理学療法をおこなったり、患部を冷やしたり、鎮痛薬を服薬するといった対処・治療がおこなわれます。

痛みが長引くときや、再発をくりかえすときには手術をおこなう場合があります。たとえば関節鏡・関節鏡視下手術(先にレンズやライトがついた細い管をつかって、関節内をのぞきながら治療をおこなう手術)などをおこない、関節の軟骨の凹凸(おうとつ)を平らにする治療がおこなわれることがあります。

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