治療
膵神経内分泌腫瘍の治療方法は、手術治療、薬物療法、局所療法の3つです。
手術
膵神経内分泌腫瘍では、腫瘍を切除するための手術治療が第一選択とされています。
現時点では、手術による腫瘍の「完全切除」が、根治を目指せる唯一の方法といわれています。そのため、安全な手術が可能と判断された膵神経内分泌腫瘍では、治癒を目指した完全切除が選択されます。
また、進行して転移などがみられる状態でも、切除手術を行うことで、症状の緩和や経過の改善が見込めるケースもあります。この場合、体内から腫瘍を減らすために、一部を残して大部分を切除する「減量切除」が選択されることもあります。
薬物療法
安全な切除が難しい症例など、手術の適応とならない膵神経内分泌腫瘍には、薬物を使った治療が行われます。また、腫瘍の減量切除後に薬物療法が追加されることもあります。
治療で用いられる薬剤には以下のものがあります。
分子標的薬
腫瘍細胞にターゲットを定めて作用する薬です。腫瘍の増大を抑える作用があります。
ソマトスタチンアナログ製剤
腫瘍の増大を抑えたり、縮小させたりする作用があるとされています。また、ホルモンの過剰な産生を抑えることで、症状を和らげられることがあります。
抗がん剤
悪性の腫瘍細胞を死滅させることで、腫瘍が大きくなることを抑えます。
その他
このほかに、患者さんに現れている症状に応じた治療薬が処方されることがあります。
局所療法
局所療法は、肝臓への転移がみられる場合に、すい臓に発生した原発巣ではなく、肝臓の腫瘍に対して行われます。局所療法には、ラジオ波焼灼術、肝動脈塞栓術(TAE)、肝動脈化学塞栓術(TACE)などがあります。どの方法を選択するかは、肝臓に転移した腫瘍の数や位置などにより変わります。
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