定義
自然分娩は分娩方法のひとつであり、病名ではありません。また、明確な定義も定まっていないため、医師や医療機関によってはどのような分娩を自然分娩とするのか見解が異なることもあるのが現状です。
しかし、一般的には子宮収縮剤の投与や鉗子分娩や吸引分娩などのように胎児を娩出するための医学的な介助を行わない経膣分娩のことを指します。
自然分娩を可能にするのは、“娩出力”、“産道”、“娩出物”という分娩の3要素と呼ばれる条件が揃うことです。“娩出力”とは母体がいきんだり子宮が収縮したりすることによって胎児や付属物を母体外に排出しようとする力のことです。また、“産道”とは、胎児が通り抜けるために十分なスペースがある経路のことを指し、“娩出物”とは経膣分娩が可能な体位で頭の向き、大きさである胎児と、胎児娩出後に自然に子宮の壁から剥がれ落ちる胎盤のことを指します。
このいずれかの要素に異常が生じると自然分娩を完遂するのは難しくなり、母児の安全のために医学的な処置が必要となります。
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