きんじょうそくにくしょう

菌状息肉症

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原因

菌状息肉症は、皮膚に常在するリンパ球の一種類であるT細胞が腫瘍化することが原因で発症する病気です。

リンパ球とは白血球の一種類であり、リンパ球にはT細胞、B細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞という3つの種類があります。いずれも免疫機能を司り、体内に侵入した異物への攻撃を行います。リンパ球は基本的に血液中に存在しますが、ほかの臓器にも多少ながら常在しています。なかでも消化管と皮膚には多いことが知られています。消化管及び皮膚は、体の内部と外部を隔てており、外部からの刺激を受けやすい臓器です。そのため、他の臓器よりも常在するリンパ球が多いと考えられています。菌状息肉症はこのような皮膚に常在するTリンパ球が悪性化したものと考えられています。

悪性化したTリンパ球は、染色体規模での遺伝的な変化が生じていることも知られています。染色体は、DNAによって構成され、遺伝子情報を含む重要な役割を担っています。この、染色体の一部が失われたり増えたりすると、細胞の活動に異常が起きてしまうのです。こうした現象は腫瘍(しゅよう)化した細胞によくみられ、菌状息肉症においても例外ではありません。菌状息肉症でも、関連する染色体の一部が増えたり、失われていたりしていることが多く、T細胞が腫瘍化することに関連していることが推察されています。

染色体レベルでの変化以外では、ウイルス感染症や環境因子なども病気の発症に関与していることが推定されています。しかし、確実な原因についてはいまだ完全には明らかになっていません(2019年時点)。

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