もうこはん

蒙古斑

皮膚

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概要

蒙古斑とは、お尻を中心に現れる青あざのことです。日本人を含む黄色人種では大部分の赤ちゃんにみられます。生後すぐに現れることもあれば、生後1〜2週間ほど経ってから現れることもあります。生後2歳くらいまでは色調の強くなる時期があり、10歳頃を境に消失することが典型的です。しかし、成人になっても蒙古斑が残る方もいます。

蒙古斑によって健康を損なうことはほとんどありませんが、蒙古斑はハーラー病やハンター病を代表とする生まれつきの病気の一症状として出現していることがあるため、原因となる病気には注意が必要です。

原因

蒙古斑は、メラニンと呼ばれる色素を産生する「メラノサイト」が原因で起こります。メラノサイトは健康な皮膚でもみられる細胞で、通常は表皮に位置します。蒙古斑のメラノサイトは、通常と比べるとより深い「真皮」と呼ばれる部位に存在しています。この状況で皮膚に光が当たると、紫領域の波長を持つ光がメラノサイトに反射され、蒙古斑でみられる灰色がかかった紫色ないしは青色のあざとして認識されます。

日本人は真皮に存在するメラノサイトの数が多く、他の人種では少ないことがわかっています。そこで、メラノサイトの数の差が、蒙古斑の出現に関わっていると考えられています。

また、蒙古斑と同じくメラノサイトの位置異常を引き起こす病気として、ハーラー病やハンター病を含む「ムコ多糖症」があります。ムコ多糖症は、異常な代謝産物が体内に蓄積することでメラノサイトの移動を障害し、蒙古斑を引き起こします。さらに、メラニンの産生量も同時に促進すると考えられています。代謝疾患に関連する蒙古斑は、お尻に限らず全身に広がりやすい特徴があります。

症状

蒙古斑は、出生後間もなく、もしくは生後数週間以内に生じるお尻周囲の青あざとして認識されます。お尻を中心として背中周囲まで広がることがあり、大きさはまちまちです。お尻の周辺以外にも腕や足などに生じることがあり、「異所性蒙古斑」と呼ばれています。異所性蒙古斑は、お尻周囲に出現するものと異なり、消失しにくいことが知られています。

また、蒙古斑はまれに代謝疾患の皮膚症状として出現することがあります。皮膚症状は全身に広がることがあり、さまざまな病気の合併リスクがあります。こうした病気を見落とさないようにすることが大切です。

検査・診断

蒙古斑は、見た目の性質・状態や、あざの生じている部位、現れたタイミングなどをもとに診断されます。診断に際しては特別な検査を行うことはありません。ただし、原因としてムコ多糖症などの病気を抱えていることがあるため、その疑いがある場合には、病気に応じた検査が追加されます。蒙古斑の原因となる病気を見落とさないことが重要になります。そのほか、虐待と見誤られることがあります。

治療

あざの部位がお尻周辺であり、人の目には触れにくいことから、多くの場合は治療をせずに経過観察されます。また、蒙古斑は基本的には自然に消えてなくなりますが、何かしらの理由で治療が必要な場合はレーザー治療が行われます。ムコ多糖症などの病気が原因で発症している場合には、病気に応じた治療が追加されます。