やくざいせいはいえん

薬剤性肺炎

最終更新日:
2021年05月25日
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2021/05/25
更新しました
2017/04/25
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概要

薬剤性肺炎とは、薬剤の投与中に薬剤が原因となり、その薬剤本来の効能以外の予期せぬ有害な反応が生じて起こる肺炎のことを指します。通常は投与開始後2~3週間から2~3か月で発症するものが多いですが、投与開始後数年を経て発症するものもあります。薬剤性肺炎の正確な発症頻度は定かではありませんが、近年の調査では2011年以降に1,850例の薬剤性間質性肺炎が全国から報告され、その報告数が増加してきている傾向にあります。

原因

全ての薬剤に薬剤性肺炎を引き起こす可能性があり、また医師が処方した薬剤だけではなく、市販薬や漢方薬、サプリメントや健康食品などでも発症する可能性があります。代表的な原因薬剤として、分子標的薬を含む抗悪性腫瘍薬(こうあくせいしゅようやく)(抗がん剤)や生物学的製剤を含む抗リウマチ薬が多く報告されていますが、一般的な抗生物質(抗菌薬や抗真菌薬)、消炎鎮痛薬なども少なからず報告されています。

またリスク因子としては高齢(60歳以上)であることや、もともと間質性肺炎などの肺病変を有していること、低肺機能であることなどが知られています。

症状

軽度であれば特に自覚症状はなく、胸部X線などで発見されることもありますが、代表的な自覚症状としては息切れや呼吸困難、乾性咳嗽(かんせいがいそう)(痰を伴わない咳)、血痰、発熱、倦怠感(体のだるさ)などがあげられ、皮疹、口腔内粘膜疹(こうくうないねんまくしん)などを伴うことがあります。重症の場合には呼吸不全に至ることもあり、他覚的な所見としては経皮的動脈血酸素飽和度が低下することや胸部聴診で乾性ラ音を聴取することがあります。

検査・診断

薬剤性肺炎の診断は症状や身体所見、薬剤摂取歴や既往歴、血液検査所見や画像所見などを総合して行います。前述のように全ての薬剤に薬剤性肺炎を起こす可能性があり、投与中のみならず投与終了後でも発症する可能性があることを念頭に置かなければなりません。診断のためにまずは、薬剤摂取歴に関する問診が非常に重要になります。疑われる薬剤の摂取歴(どんな薬剤をいつから使用しているか)を明確にすることが大切です。上記のような症状のため病院を受診する際は、お薬手帳を持参することで処方薬などの確認がすぐに行えます。

治療

薬剤性肺炎の治療としてまず行わなければならないことは被疑薬(原因として疑われる薬剤)を速やかに中止することです。軽症の場合は中止するだけで改善することもありますが、もともとの病気に対して必要な薬剤であった場合は、ほかの種類の薬剤に変更する必要があります。原因となった薬剤は原則再度使用するべきではありません。しかし、どうしても使用しなければならない場合は薬剤によっては再度使用することもありますが、薬剤性肺炎が再燃することもあり注意が必要です。

中等症以上もしくは被疑薬の中止のみでは改善しない場合はステロイドを用いることが一般的です。重症になるとステロイドを大量に用いるステロイドパルス療法を行い、その後ステロイドの内服治療(後療法)に移行することが多いです。アレルギー性機序では比較的ステロイドへの反応性は良好といわれますが、細胞障害性機序では障害が強くステロイド抵抗性となることもあります。また低酸素血症を伴っている場合は酸素吸入も必要です。

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