ししんけいかんこっせつ

視神経管骨折

最終更新日:
2024年10月24日
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2024/10/24
更新しました
2017/04/25
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概要

視神経管骨折とは、視神経が通る“視神経管”を構成する骨に生じる骨折のことです。

視神経は目に入った情報を脳に伝えるはたらきを持ち、眼球から出て脳へ至るまでの部位は骨に囲まれた視神経管という管の中を通ります。視神経管骨折は、交通事故などによって顔に強い外力が加わることで引き起こされます。視神経管骨折が生じると視力や視野の異常が生じますが、わずかな視力低下から目がまったく見えなくなるといった重度なものまで症状はさまざまです。

視神経管骨折と診断された場合は、視神経への圧迫を解除するために視神経管の骨の一部を除去する“視神経管開放術”や、ステロイドの投与などが検討されます。発症してから時間が経過すると、視力や視野の障害が改善する可能性が低くなるため、できるだけ早く治療を行うことが必要です。

原因

交通事故や転落事故など頭や顔面に強い外力が加わることによって生じます。特に眉毛の外側の部位に強い衝撃を受けると生じやすいとされています。

症状

視神経管骨折は視神経が通る視神経管の骨に生じる骨折であり、発症すると折れた骨や周囲の腫れによって視神経が圧迫されます。その結果、急激な視力の低下、視野の欠け、瞳孔の大きさの左右差や対光反射(目に光を当てたときに瞳孔が縮む反射)の減弱などの症状がみられます。症状の程度はさまざまで、わずかな視力低下、一部の視野の欠けなどの軽いケースもあれば、目がまったく見えなくなるケースもあります。

検査・診断

視神経管骨折が疑われる場合は、画像検査や視機能検査を行います。

画像検査

視神経管を構成する骨の状態、骨折血腫(けっしゅ)などの有無を確認するため、CTなどによる画像検査を行います。また、画像検査で異常がない場合でも、症状や外傷の状況などから視神経管骨折が強く疑われる場合は治療を行うこともあります。

視機能検査

目の機能を評価するために、視力検査や眼底検査、視野検査、瞳孔検査を行います。

治療

視神経管骨折と診断された場合は、後遺症をできる限り抑えるためにも早く受診しましょう。

具体的な治療としては、48時間以内に視神経への圧迫を解除するための視神経管開放術や、ステロイドの大量投与を行うことで視力や視野の障害を改善する可能性を高めます。視神経管開放術は、頭蓋骨から行うケース、眼窩(目の周りの骨)から行うケース、内視鏡を鼻から入れて行うケースがありますが、近年では体への負担が少ない内視鏡での手術が増えています。

飲酒時や受傷時に頭部外傷によって意識障害を伴う場合、また、子どもや高齢者などは、視力障害があっても気付かれにくいことがあるため注意が必要です。

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