原因

軽度認知障害は、アルツハイマー病を代表とするそのほかの認知障害で見られるような脳の変化が生じることが原因であると考えられています。同じような変化は見られるものの、認知症と比較して程度が軽いことが特徴です。

具体的に見られる脳の変化としては、老人斑(アミロイドβタンパクの凝集(ぎょうしゅう)や蓄積)、神経原線維変化(リン酸化タウタンパクの凝集・蓄積)といったものを例として挙げることができます。また、レビー小体と呼ばれる変化を見ることもありますし、微小血管病変、小さな梗塞(こうそく)が原因となることもあります。

軽度認知障害と思われていたものの中でも、類似の症状を呈する別の病気であることが判明することもあります。たとえば、うつ病甲状腺機能低下症などの病気でも同じような症状を呈することがありえます。

しかしながら、現在のところ軽度認知障害の原因として確定的なものは明らかになっていません。軽度認知障害の人の中でも、より重篤な認知症に進行する人がいる一方、症状が数年もの間安定している人もおり、さらには軽度認知障害が改善する人もいます。こうした経過の違いがなぜ生じるのかについても、完全には理解されていません。

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