かいほうぐうかくりょくないしょう

開放隅角緑内障

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概要

開放隅角緑内障とは、緑内障の一種です。眼球内には房水と呼ばれる液体成分が循環することで眼圧が保たれていますが、開放隅角緑内障では房水の吸収部位に相当する線維柱帯が目詰まりを起こしていることから、眼圧が上昇してくると考えられています。
緑内障にはいくつかのタイプが存在しますが、開放隅角緑内障は、なかでも最も多いタイプだと考えられています。

開放隅角緑内障では眼圧が徐々に上昇し、次第に視神経が異常を受けることになります。その結果、視野狭窄から失明に至ることもある病気です。初期症状として見られる視野狭窄は始めのうちは気付かれないことも多く、進行性に進行しある程度病状が進展してから病気を診断されることもまれではありません。

そのため、病気の特性についての知識を得て、早期の症状把握につなげることは早期治療介入を可能とするため、とても重要です。
 

原因

開放隅角緑内障は、眼球の中を循環する「房水」と呼ばれる液体が適切に循環しなくなることを原因として発症します。房水は毛様体と呼ばれる眼球内の組織で作られ、シュレム管へと排出されており、眼球内での循環が保たれる仕組みになっています。

房水の量は一定量に保たれており、そのため眼圧は通常はある範囲の中に保たれることになります。しかし、シュレム管での房水の排泄が阻害されてしまうことがあり、過剰な房水が眼球内に蓄積すると眼圧が正常よりも高く上昇するようになります。眼圧が高くなると、圧力に脆弱な視神経が障害を受けることになります。「開放」の意味合いとしては、見た目の構造上は房水の流れを遮るものがなく開通しているというものになります。

原発開放隅角緑内障のなかには、眼圧が正常範囲であるにもかかわらず視神経が障害されてしまうケースがあります。これを「正常眼圧緑内障」といいます。「視神経の障害されやすさ」には人によって差があります。つまり、同じ眼圧の数値であっても、ある人の場合は視神経が障害され、別の人の場合は障害されないということがあるのです。このため、眼圧が正常値の範囲内に入っていても、必ずしも安心はできません。

症状

開放隅角緑内障は、徐々に病状が進行する病気です。特に開放隅角緑内障の一種である正常眼圧緑内障では、末期になるまでに20〜30年ほどの期間を要するとも言われており、初期の段階では症状が気付かれにくいです。

また、日常生活においては両目を使用してものを見ることがほとんどであり、緑内障の症状があったとしても両目を使用することで症状がマスクされてしまい、より一層自覚されにくいという特徴があります。

初期症状が自覚されにくい開放隅角緑内障ですが、視野障害・暗点の出現からはじまります。さらに病状が進行することで、最終的には視力低下から失明に至ることもあります。
 

検査・診断

開放隅角緑内障の検査としては、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)、視野検査が挙げられます。緑内障は眼圧が上がることが発症要因であるため、実際に眼圧が上昇しているかどうかを確認するための眼圧検査はとても重要です。

しかしながら、正常眼圧緑内障と呼ばれる病態もあるため、眼圧が正常範囲だからといって緑内障を否定することは出来ません。

また、開放隅角緑内障を判断する上で、房水の通り道である隅角の形態を評価することは重要であり、このことを目的とした検査を隅角検査と呼びます。
さらに、開放隅角緑内障では、視神経が障害を受けることから視野の状態が変化します。これらを観察するための眼底検査や視野検査も、開放隅角緑内障の診療では重要な検査だと言えます。

治療

開放隅角緑内障では眼圧が上昇している状態であるため、眼圧を下げることを目的とした治療介入がなされます。具体的に行われる治療方法としては、薬物療法を中心として、状況に応じてレーザー治療や手術治療などが検討されることになります。

薬物治療としては房水の排泄を促進する薬剤を使用することになり、プロスタグランジン系薬剤がこのタイプの薬になります。また、房水の量を少なくすることを期待して交感神経β遮断薬や炭酸脱水素阻害薬、交感神経α2刺激薬などを使用します。これらの薬剤を使用することで、循環が滞り眼圧上昇の原因となっている房水の量を調整することになります。

開放隅角緑内障の治療は薬物療法が中心ですが、症状がなくとも中断することなく継続することが重要です。また、開放隅角緑内障に罹患している時には、使用に注意すべき薬剤も多く存在します。そのため、自身の状態を把握した上で、使用できる薬剤かどうかを判断することも大切です。薬物治療で眼圧がコントロールできなくて、視野障害が進行する場合には、レーザー治療や手術治療が必要になってきます。