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こつのうしゅ

骨嚢腫

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

骨嚢腫(単発性骨嚢腫)とは、骨のなかに水で満たされた袋状の塊である嚢胞(のうほう)(水風船のようなもの)が生じている状態ですが、単発性骨嚢腫は骨嚢腫のなかのひとつの種類を指します。単発性骨嚢腫はどの年齢でも生じますが、主に子どもや20歳までの若年層に発症が多く、また、男児に発症が多いです。骨嚢腫が生じても無症状で経過することもあり、正確な発症頻度はわかっていません。

単発性骨嚢腫は上腕骨の上端、大腿骨の上端、踵の骨などにみられることが多く、基本的には一つの骨に限局して発生し、ほかの骨には転移しません。必ずしも症状が生じるわけではなく、ときに骨そのものが弱くなり病的骨折をきたしやすくなります。症状や部位に応じて、経過観察、または外科的な治療介入が検討されます。

原因

上腕骨や大腿骨等の骨の端には、成長板と呼ばれる部位が存在します。小児の骨は成長段階にあり、主に成長板で骨が伸びています。単発性骨嚢腫の原因は完全には判明していませんが、ひとつの考えとして、成長板の過剰反応によって生じるともいわれています。

また、骨における血流障害が発症のきっかけになるという考えもあります。血流が障害されることで骨が吸収され(すなわち嚢胞が形成される)、炎症性タンパク質が嚢胞内に蓄積するとも考えられています。成長板付近に病変が発症することが多いため、骨の成長が妨げられる結果、骨の長さが短くなることもあります。

単発性骨膿腫はおもに上腕骨のうち肩近くと大腿骨内の骨盤近くに発生することが多く、両者の発生部位で全体の8割ほどを占めると報告されています。発症年齢は5〜15歳までの小児が多いですが、それ以上の年齢でも発生することもあり、その場合には骨盤や顎、頭蓋骨、踵の骨などにみられます。

症状

単発性骨嚢腫は症状を引き起こすとは限らず、無症状で経過することもまれではありません。別の目的で撮影されたレントゲン写真で、たまたま単発性骨嚢腫が指摘されて病気が判明することもあります。

また、単発性骨嚢腫では骨そのものが脆弱になり、骨折しやすくもなります。通常であれば骨折を起こさないような弱い外力に対しても骨折を起こし、単発性骨嚢腫が判明することがあります。度重なる骨折や、単発性骨嚢腫の病変が成長板での骨成長を阻害することなどを原因として、骨が変形することもあります。頻度は少ないですが、単発性骨嚢腫が原因で骨の痛みを感じることもあります。

検査・診断

単発性骨嚢腫では、レントゲン写真を撮影すると、骨にある病変部が通常よりも透けてみえることがわかります。

治療方針の決定のためにも他疾患との鑑別を行うことが重要です。鑑別が必要となる疾患のひとつとして、動脈瘤様骨嚢腫があります。動脈瘤様骨嚢腫は骨嚢腫の一種ですが、周囲の骨組織に対しての侵襲度がより高く、とても大きくなり骨の変形も強く生じる傾向にあります。レントゲン写真のみで正確に鑑別することは難しいこともあります。そのため、骨嚢腫の診断では、CTやMRIなどの詳細な画像検査を行います。CTやMRIの画像検査は、嚢腫の性状をより詳細に評価することが可能です。たとえば、内容物の性質と状態、嚢胞の数、周囲の骨への侵襲の程度などです。

こうした検査でも判断が難しい場合には、実際に組織を採取する生検を検討します。

治療

単発性骨嚢腫は必ずしも症状を引き起こすものばかりではなく、特に無症状の場合は経過観察の措置を取ることもあります。また、骨折をきたすようなものでも、成長と共に単発性骨嚢腫が自然消失することもあるため、自然経過を予測しながら治療経過を決定します。

病的骨折をきたす単発性骨嚢腫のなかでは、積極的な治療対象になるものもあります。選択される治療として方法のひとつに、骨の空洞内にステロイドを注入する方法があります。また、嚢胞内の液体成分を排除し内圧を下げる処置を行うこともあります。しかし一般的には空洞内の掻爬(そうは:内容物を除去すること)に加えて自家骨移植、ハイドロキシアパタイトなどの人工骨移植を用いた手術が行われることが多いです。

単発性骨嚢腫の治療では再発することもあり、嚢腫病変が再度形成されることもあります。しかしながら単発性骨嚢腫の自然経過は必ずしも悪くはなく、成長や骨折の治癒過程とともに単発性骨嚢腫が消失することもあります。

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