ばめんかんもく

場面緘黙

同義語
選択性緘黙,場面緘黙症
最終更新日:
2025年02月20日
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2025/02/20
更新しました
2019/01/22
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概要

場面緘黙とは、言葉を話す能力は備わっているにもかかわらず、学校や職場など特定の場所・状況において話すことができなくなる状態を指します。2~5歳で発症するケースが多く、男児よりも女児に多い傾向があるとされています。2019年の研究によれば日本国内での有病率は0.21%と報告されており、数百人に1人の割合で発症すると考えられています。

原因ははっきりしていませんが、不安になりやすかったり、緊張しやすかったりする本人の性質や、言葉を発することがストレスになる環境が影響しているとされています。また、不安症、自閉スペクトラム症などを併発する例もみられます。さらに、話すことが難しくなる状況が学校などの場面である場合は、不登校や引きこもりを併存する可能性もあります。

治療では、行動療法や併存する不安などに対する薬物療法のほか、支援方法の家族などへの指導などが行われます。学校と医療とが連携することも重要です。気付いたらできるだけ早期に支援を行うことで症状を軽くすることが可能です。思い当たる症状がある場合には様子をみるのではなく、できるだけ早めに医療機関など専門の機関に相談するようにしましょう。

原因

場面緘黙の明確な発症メカニズムは解明されていません。一方で、場面緘黙は生まれつきの本人の性質と環境的な要因が複雑に関与し合うことで発症すると考えられています。

本人の性質

生まれつき不安や緊張を感じやすい性質があると、場面緘黙を発症するリスクが高いと考えられています。特に、新しい環境や特定の場面に対して警戒心が強く、その場面を回避しようとする傾向がある場合に発症しやすいとの報告があります。また、不安症、自閉スペクトラム症、言語発達の遅れ、知的発達症などが背景にあるケースもあります。

環境的要因

場面緘黙は、言葉を発することがストレスになりやすい環境にあると発症リスクが高いことがさまざまな研究から明らかになっています。具体的には、言語や文化が異なる地域へ移住するなど、言語習得の困難さとストレスにさらされた子どもは場面緘黙になりやすいとの報告があります。

症状

場面緘黙の子どもの多くは、家庭内では問題なく会話ができるにもかかわらず、学校や職場など特定の場所・状況において話すことができなくなります。これは単なる人見知りや恥ずかしがり屋とは異なり、環境に慣れても改善されにくいという特徴があります。

症状の程度には個人差があり、筆談やジェスチャーでコミュニケーションが取れる比較的軽度な場合もあれば、身振り手振りを含めた他者とのコミュニケーションも困難になる重度な場合もあります。なかには体が固まって思うように動かせなくなる緘動(かんどう)症状を伴うこともあります。

このような状態が1か月以上継続すると場面緘黙と診断されます。話せないことへの不安やストレスによって症状が悪化する悪循環に陥りやすく、不登校や引きこもりなど社会生活に支障をきたすこともあります。

検査・診断

場面緘黙が疑われる場合は、症状の程度や日常生活への影響、心理状態など複数の観点から総合的に評価を行います。

症状や日常生活への支障の評価

診断には、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5-TR)やWHOの診断基準(ICD-11)が用いられます。学校や職場など特定の状況での一貫した発話困難、学業や対人コミュニケーションへの支障、1か月以上の症状持続などが主な判断基準となります。また、言語能力の不足の有無、ほかの精神疾患では説明できない症状の有無も確認されます。

質問票、心理検査など

診断過程では、“場面緘黙質問票(SMQ-R)”や“子どもの行動チェックリスト(CBCL)”などを用いて、発話状況や不安の程度を評価します。場面緘黙は不安症や自閉スペクトラム症との合併が多いため、これらの確認や、そのほかの病気などの可能性を調べるために、発達検査や心理検査が行われることもあります。

治療

場面緘黙の治療では、社会的な環境において本人が感じる不安を軽減していくことが重要です。症状の程度や個々の状況に応じて、以下のような治療が行われます。

行動療法

行動療法とは、行動の変化を通して症状の緩和を目指す治療法です。円滑な発話やコミュニケーションができる場所・状況を段階的に広げていき、成功体験の積み重ねを目指します。治療の効果を高めるためには、医療機関での治療に加え、学校などの関係者と協力しながら進めることも重要です。

薬物療法

場面緘黙そのものを治療する薬は存在しませんが、不安症や自閉スペクトラム症の易刺激性を併発している場合には、それらの症状を緩和するための薬物療法を併用することがあります。

周囲の支援方法

家庭・学校・医療機関が連携して、安心して発話できる環境づくりを進めることが重要です。ただし、無理な発話を促すことは逆効果となる可能性があります。まずは発話以外のコミュニケーション方法を認め、できることを褒めて自信を育む支援が推奨されます。また、学校生活では友人関係の構築支援など、総合的なサポートが必要とされます。

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