へんぺいそく

扁平足

最終更新日:
2021年12月10日
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2021/12/10
更新しました
2017/04/25
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概要

扁平足とは、足の裏の“土踏まず”の構造が潰れて足の裏が平らになった状態のことを指します。“土踏まず”とは、体重を効率よく支えるアーチ状の構造のことです。この構造はさまざまな靱帯や腱などによって形成されていますが、これらが緩んだり切れたりすることでアーチ構造が潰れ、扁平足の状態になると考えられています。

幼児期にみられる扁平足は足関節周りの靱帯が緩むことが主な原因ですが、成人になってから発症する扁平足は加齢による靱帯の変性や体重の負荷などで靱帯が切れることが原因です。幼児期の扁平足や幼児期から成人まで扁平足の状態が続いている場合は痛みなどの自覚症状はありませんが、靱帯が切れることによって成人以降に発症する扁平足は内側のくるぶし周囲に痛みや腫れを伴い、進行すると足が変形して歩行障害を引き起こすこともあります。

基本的には、筋力トレーニングやアキレス腱ストレッチなどのリハビリテーション、アーチ構造をサポートする足底板の使用によって対処することが可能ですが、重症な場合は手術が必要となるケースもあります。

原因

扁平足は足裏のアーチ構造が潰れることによって引き起こされます。

足裏のアーチ構造は足の骨を支える種々の筋肉や靱帯などによって作られており、アーチ構造を形成する靱帯が緩んだり腱が切れたりすることによって扁平足の原因となります。

幼児期からみられる扁平足の主な原因は足関節周りの靱帯が緩むことによって引き起こされますが、先天性垂直距骨や先天性足根骨癒合症など生まれつきの骨の変形、筋肉や神経の病気などが根本にあるケースもあるため注意が必要です。

一方、成人になってから発症する扁平足は中年以降の女性に多く、原因はアーチ構造を吊り上げるはたらきのある後脛骨筋の腱が加齢による変性や体重の負荷によって切れることと考えられています。

症状

幼児期にみられる扁平足の多くは病的な症状が生じることはありません。多くは7~8歳頃までに足裏のアーチ構造が形成されていきます。しかし、体重をかけなくても足裏が平らになっている、手で矯正しても柔軟性がない扁平足の状態の場合は上述したような先天的な病気の可能性があり、歩行時の痛みや疲れなどを引き起こすことがあります。

一方、成人以降に発症する扁平足では内くるぶしの下に痛みや腫れが生じることが特徴です。また、発症から時間が経過するとともに扁平足の変形が目立つようになり、進行すると足が硬くなり歩行障害を引き起こすこともあります。

検査・診断

扁平足の状態であるか否かは、起立した状態で足のアーチ構造が潰れているか、かかとが外を向いているか否かによって判断することができます。しかし、幼児期などは足裏に皮下脂肪が多くついているため判定がつきにくいケースも多く、正しい診断をしたり重症度を判定したりするためには、X線検査によって足のアーチの高さに異常があるか否かを調べる必要があります。

また、成人以降に発症する扁平足は腱が切れることによって発症するケースがあるため、正確な診断には超音波検査やMRI検査が必要になることもあります。

治療

幼児期の扁平足は成長とともに足裏のアーチ構造が形成されていくケースがほとんどですが、足裏の筋肉を鍛えるために裸足で生活する・足の指を積極的に使うといった対策を講じるのがよいとされています。しかし、アーチ構造の形成が乏しい場合や足の疲れ、痛みなどの症状がある場合はアーチをサポートする足底板などを用いた治療が行われます。

一方、成人になってから発症した扁平足は幼児期と同様の対策や足底板の使用のみで痛みや腫れなどの症状が改善されることもありますが、重症な場合は切れてしまった腱を別の腱を用いて再建する手術や外側に傾いている(かかと)の骨を切って内側に矯正する手術が行われることもあります。

また、扁平足の状態になってから時間が経過している場合はこれらの手術だけでは矯正が困難ケースもあるため、その場合は足関節の骨を形成し直して関節を固定する手術を行うこともあります。

予防

扁平足を予防するには、足裏のアーチ構造を支える足裏の筋肉を鍛えることが大切です。そのためには、裸足での生活を心がけ、足指じゃんけんやつま先立ち、足の外側縁で歩くことなどでトレーニングすることがすすめられています。

また、後脛骨筋腱が切れることによって発症する成人以降の扁平足では上記の対策に加え、適正体重を保って腱への負担を減らすことも大切です。さらに、アキレス腱が硬くなることも後脛骨筋腱に負担がかかる原因になるためストレッチなども有効とされています。

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