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射精障害とは。回避するための予防法とは

射精障害とは。回避するための予防法とは
河村 寿宏 先生

田園都市レディースクリニック 理事長、東京医科歯科大学臨床教授

河村 寿宏 先生

今回は、田園都市レディースクリニック理事長の河村寿宏先生と、田園都市レディースクリニックで男性不妊外来を担当する湯村寧先生に、射精障害を回避する方法についてお話しいただききます。

ペイレス

不妊治療には、妊娠の確率が高くなる女性の排卵日付近を狙って、性交渉を指導するというタイミング法があります。その治療法に対して、義務的な状況にストレスを感じたり、絶対に失敗できないというプレッシャーを抱え込み、EDや腟内射精障害で悩んだりする患者さんが一部にはいらっしゃいます。

タイミング法では、病院で指導された排卵日や、ご自身で排卵日チェッカーを使って排卵日を確かめ、その日を狙いパートナーと性交渉を持つことになります。もちろん性交渉が上手くいき、その結果、妊娠が成立するカップルもいらっしゃいます。

しかし、排卵日だから性交渉の指示を受けるというものは、本来の性交渉とは違うため、義務としてとらえてしまいストレスに感じてしまう男性もいます。また、月に1度の排卵日であり、妻も期待をしているから絶対に失敗できないというプレッシャーがのしかかるケースもあります。男性の射精は気持ちの問題も大きく影響しています。そのため、EDや妻の腟内では射精できないといった腟内射精障害など、タイミング法により、うまく性交渉をできなくなる男性もいらっしゃいます。

女性側にとって、排卵日が近づくと妊娠する可能性が高まります。しかし、男性側の射精が上手くいかなかった場合は、もう1か月排卵日を待たなくてはならないという非常に残念な気持ちになります。また、女性側の年齢が高いほど、卵子の数や質の問題から、少しでも早く妊娠をしたいという気持ちは強くなります。

そして、このような落ち込む妻の姿を見た男性は大きな責任を感じ、次の排卵日に行う性交渉がよりプレッシャーになっていくという負のスパイラルに陥るのです。

ペイレス

田園都市レディースクリニックの男性不妊外来にも、そういった夫婦間の問題からEDや腟内射精障害を発症し悩まれている男性が月に数人いらっしゃいます。そこで、田園都市レディースクリニックでは、以下のような解決法をご提案しています。

性交渉は排卵日付近でこまめに実施

田園都市レディースクリニックでは、妊娠しやすい性交渉日をピンポイントでお伝えするのではなく、排卵日とその前の数日間の中で性交渉をして頂くようお伝えしています。何月何日、と完全に限定してしまうと、患者さんの心理的負担になってしまう可能性がある上に、そもそも実際には、排卵日よりもその少し前のほうがより妊娠しやすくなるということもあるからです。

そのため、排卵日だけに性交渉をもつのではなく、排卵日周辺でこまめに性交渉を持つように勧めています。そうすることで、1回目の性交渉ではうまく射精することができなかったとしても、また次の日があると男性側の精神的負担も軽減されます。また、精液を溜めず、定期的に外に出すことで、精子の質も向上すると思われます。

人工授精を実施

基礎疾患が無く、上記の方法でもうまく性交渉ができなかった場合は、カウンセリングを受けるという選択肢もあります。しかし、カウンセリングによって性機能を回復させるには時間を要します。その間は、不妊治療をお休みすることとなります。しかしながら妻が30代後半~40代の場合は、一刻も早い治療が望まれます。そのため、EDや腟内射精障害などで、腟内に精子を射精できない場合は人工授精を、年齢等その他の条件によっては早期に体外受精を行うことも、お二人のすれ違いを回避し、妊娠を早める1つの方法です。

不妊治療の目的は子どもを出産し、夫婦で育てていくことです。しかし、不妊治療が原因で不仲になってしまっては元も子もありません。性交渉の際に射精ができなくても、マスターベーションで射精ができないという男性はほとんどいません。また、夫が射精できないという悩みが解消されるため、女性側の負担も軽くなります。

実際にそのような状況になり、人工授精を選択した患者さんも多くいらっしゃいます。そして、このような、不妊治療のプレッシャーによるEDや腟内射精障害を発症した夫は、妻の妊娠・出産の後、多くの方が通常の性交渉を持てるように戻っています。

 

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