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回復期リハビリテーションについて
よこすか浦賀病院(横須賀市西浦賀)では2017年7月に回復期リハビリテーション病棟を開設しました。同院の回復期リハビリテーション病棟では、海に面した自然豊かな環境を生かしたリハビリテーションの実...
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回復期リハビリテーションについて

公開日 2018 年 03 月 01 日 | 更新日 2018 年 06 月 15 日

回復期リハビリテーションについて
石塚 幹夫 先生

医療法人横浜柏堤会 よこすか浦賀病院 副院長

石塚 幹夫 先生

目次

よこすか浦賀病院(横須賀市西浦賀)では2017年7月に回復期リハビリテーション病棟を開設しました。同院の回復期リハビリテーション病棟では、海に面した自然豊かな環境を生かしたリハビリテーションの実施や、2018年現在循環器内科の医師がセンター長を務め患者さんの全身管理を行うなど、患者さんが前向きな気持ちでリハビリに取り組むことのできる病棟づくりを目指しています。

本記事ではよこすか浦賀病院の回復期リハビリテーション病棟の取り組みや特徴について、よこすか浦賀病院の副院長であり、回復期リハビリテーション病棟のセンター長である石塚幹夫先生にお話を伺いました。

よこすか浦賀病院の回復期リハビリテーション病棟の概要

よこすか浦賀病院では2017年7月1日に39床の回復期リハビリテーション病棟を開設しました。回復期リハビリテーション病棟とは、急性期の治療およびリハビリを終えた患者さんが、自宅復帰のため実践的に日常生活動作向上に向けたリハビリを行うための病棟です。

整形外科疾患に対する運動器リハビリテーションを中心的に行う

当院の回復期リハビリテーション病棟では2018年現在、主に整形外科疾患の患者さんを対象とした運動器リハビリを行っています。

特に大腿骨頸部骨折、脛骨高原骨折(プラトー骨折:すねの骨の関節面に起きた骨折)、股関節疾患などの患者さんが多くいらっしゃいます。高齢の方は骨粗しょう症(骨がスカスカになり骨折しやすくなる疾患)の罹患率も高いことから、骨折リスクが非常に高い状態にあります。さらに当院の位置する浦賀地域には高齢者が多いことからも、当院では今後さらにこれらの疾患に対する運動器リハビリの強化と回復期リハビリテーションの充実を図る必要があると考えています。

 

(大腿骨頸部骨折については記事1『大腿骨頚部骨折とは?原因や症状、予防法について』記事2『大腿骨頚部骨折の診断と治療法』で、骨粗鬆症については記事3『骨粗しょう症とは?原因から検査、治療法まで解説』で解説しています。)

回復期リハビリテーション病棟で働くスタッフ

回復期リハビリテーション病棟では医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、栄養士などの医療従事者や医療ソーシャルワーカーなど多職種が協働して患者さんの支援を行っています。病棟開設以降、理学療法士などのリハビリスタッフを中心に職員の数も増加しており、アットホームな雰囲気ながらも、病棟全体がとても活気にあふれていると感じています。

これから病棟機能を充実させていくために、今後さらに多くの仲間が必要となりますので現在採用にも力を入れて取り組んでいます。

海の見える環境で、のびのびと

当院は美しい浦賀湾に面した立地を生かして、病院の目の前にある海辺の広場などを使い、リハビリスタッフとともに屋外でのリハビリを積極的に行っています。

回復期リハビリテーション病棟での入院は長期間にわたるため、入院中は適宜リフレッシュしていただくことはとても大切なことであると考えています。

自然のなかで体を動かすことで、患者さんが前向きな気持ちになれるようなリハビリを行うことを心がけています。

回復期リハビリテーション病棟のセンター長は内科の医師

石塚先生

回復期リハビリテーション病棟というと、入院の対象疾患である整形外科、脳神経外科、神経内科などの医師がセンター長を務めることが一般的です。

しかし、当院では内科(循環器内科)の医師である私が回復期リハビリテーション病棟のセンター長を務め、患者さんの診療にあたっています。

整形外科の医師やリハビリスタッフは本来の治療に専念

当院の回復期リハビリテーション病棟に入院している患者さんのほとんどは高齢者であるため、もともと高血圧、糖尿病、心臓・腎臓病などいくつかの疾患を併存している方が非常に多くいます。ですから、リハビリ中にもこれらの疾患の悪化を防ぐための全身管理を行うことはとても重要です。

当院では、私が患者さんの内科的な治療や全身管理を引き受けています。こうすることで、整形外科の医師やリハビリスタッフには、本来の整形外科的な治療やリハビリに安心して専念してもらいたいと考えています。

患者さんが服用している薬剤を整理−ポリファーマシーへの対応

入院されてくる患者さんのなかには、必要以上に多量の薬剤を服用している「ポリファーマシー」の方が多くいます。必要以上に薬剤を服用することで副作用が出ている方もいて、ポリファーマシーは日本においても社会問題となっています。

このポリファーマシーを減らすために、私は患者さんが回復期リハビリテーション病棟に入院された時点で、服用中の薬剤をリストアップし、必要なものとそうではないものを整理し必要最低限の服用量にするようにしています。

このように、内科の医師がセンター長であるからこそ、高齢の患者さんが多い回復期リハビリテーション病棟で求められる役割があると考えています。

在宅復帰後の生活環境を考えたリハビリを実施

石段

回復期リハビリテーションのゴールは、退院後に自宅で自立した日常生活を送ることができるようになることです。そのため当院では、患者さん一人ひとりの自宅復帰後の生活を想定したリハビリテーションを心がけています。

たとえば、自宅への道のりに長い階段がある患者さんの場合には、院内の階段だけではなく、病院近くの神社の石段を使ってリハビリテーションを行うなど、より実践に近い訓練を行うようにしています。

また自宅復帰後にどのような生活を送るのかを把握したうえでリハビリを行うために、病棟スタッフが実際に患者さんの自宅にお伺いして家屋調査を行うこともあります。

患者さんの「自分の家に帰りたい」という強い要望に応えるために、スタッフ一同さまざまな工夫をしています。

回復期リハビリテーション病棟での過ごし方

よこすか浦賀病院でのリハビリテーションの実施時間は1日およそ3時間です(患者さんによって異なります)。リハビリテーションの時間外は患者さんにはご自由にお過ごしいただいていますが、昼夜逆転による夜間転倒などを防ぐために、日中はなるべく起床していただくように心がけています。

たとえば、ベッドから離れて患者さんやご家族が集まるデイルームでお過ごしいただいたり、離床が困難な患者さんには病棟スタッフが患者さんのベッドサイドに伺い、積極的にコミュニケーションを図ったりするなどの工夫をしています。

長い入院を経て、患者さんやご家族と親密に

多職種と患者さんのご家族との定期的なカンファレンスを実施

入院期間中には患者さんのご家族も含め、医師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーなどの多職種が集まり情報共有を行うカンファレンスを定期的に開催しています。

カンファレンスを行うことで、治療や退院後の生活に対するご家族の不安を少しでも解消することができると考えています。

回復期リハビリテーション病棟での入院は長期間であるため、病棟スタッフは患者さんやご家族とコミュニケーションを積極的に取り、信頼関係を構築できるように努めています。

患者さんのなかには退院した後にも、当院をかかりつけ病院として利用してくださる方もいらっしゃいます。

石塚幹夫先生からのメッセージ「やる気があれば何歳からでも大丈夫」

石塚先生

私が患者さんによく申し上げていることは「リハビリはやる気さえあれば何歳でも大丈夫」ということです。

患者さんのなかには90歳を超えていても、「自分の家に帰って、何とか自立した生活を送りたい」というとても強い意思でリハビリに積極的に取り組まれ、驚くほどの回復をされる患者さんもいらっしゃいます。

また入院されてきたときとは見違えるほどに生き生きとされ、ご自宅に帰られる患者さんの姿からは我々病棟スタッフも元気をいただくほどです。

繰り返しになりますが、回復期リハビリテーション病棟で大切なことは、ご本人のやる気です。「自分はもう高齢だから頑張っても無理かもしれない」とは思わずに、ぜひ積極的な気持ちでリハビリテーションに取り組んでいただきたいです。

岐阜大学医学部を卒業後、松波総合病院、川崎幸病院などで動脈硬化の基盤となる高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などを広範囲の臨床経験を積む。2016年によこすか浦賀病院の副院長に就任。唯一の内科常勤医として、これまでの臨床経験を生かし、日々あらゆる診療科の患者さんの全身管理を行っている。

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