院長インタビュー

“生活支援病院”、“連携推進病院”として地域に根ざした医療を提供する東神戸病院

“生活支援病院”、“連携推進病院”として地域に根ざした医療を提供する東神戸病院
 遠山 治彦 先生

東神戸病院 院長

遠山 治彦 先生

目次
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特定医療法人 神戸健康共和会 東神戸病院(以下、東神戸病院)は、“生活支援病院”および“連携推進病院”を主な使命として、総合的な医療の提供を目指し、兵庫県神戸市で診療にあたっています。

緩和ケア病棟や地域包括ケア病棟も開設し、患者さんの状態に合わせたケアに取り組んでいる点が特徴です。近隣病院などと連携を図りながら、住民の皆さんが生き生きと自分らしい生活を送れるよう、サポートしています。同院の診療体制や、地域医療への取り組みについて、院長の遠山 治彦(とおやま はるひこ)先生にお話を伺いました。

当院は、1954年に神戸市中央区に東神戸診療所として開設されました。当院にとっての大きなターニングポイントのひとつは、現在、当院が位置する神戸市東灘区に移転したことです。移転後、徐々に病床数を増やしていった結果、4病棟、166床を有する病院へと発展しました。現在、当院は一般病棟に加えて、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟を備えた病院として、さまざまな状態の患者さんを受け入れています(2020年3月時点)。

東神戸病院の外観
東神戸病院の外観

当院は“生活支援病院”および“連携推進病院”を主な使命と考えています。地域密着型の病院として、地域の皆さんが安心してこの地で暮らすことができるよう医療サービスの提供に努めてきました。特に近年では、進行する高齢化とともに、地域における高齢の患者さんも増えています。

当院では、高齢になっても最期までその方らしく生活することができるよう、サポート体制を築いています。そのために、地域における連携体制を推進しています。地域の医療機関などと、できる限りスムーズな連携を図りながら、患者さんの生活を地域全体で支援できるよう努めています。

当院では“地域の主治医、地域の相談係”の役割を果たすことができるよう、診療体制を整えています。特に高齢の患者さんは、さまざまな病気を複数抱えている方が少なくありません。そのようなケースであっても、できる限り一つの診療科で対応できるよう、あらゆる状態の患者さんの相談に応じることができる“総合診療科”のような役割を目指しています。より専門的な診療が必要と判断されれば、連携している病院へ紹介も行っています。

また、その人ができるだけ住み慣れた自宅で生活できるように、在宅医療にも力を入れています。入院機能を持つ中小病院として、一定の重度の患者さんの自宅生活を支えていきたいと考えています。

東神戸病院のスタッフたち
東神戸病院のスタッフたち

緩和ケア病棟では、積極的ながん治療を終えた方を主な対象に、最期までその方らしく生活できるよう、サポートに取り組んでいます。病棟スタッフだけでなく、ボランティアや地域の方々が協力し、身体的・精神的苦痛を和らげるよう努めています。できる限り患者さんの希望を実現するため、家族が利用できる家族室なども設けています。さらに、患者さんだけでなく、ご家族の不安な気持ちを和らげるサポートも行っています。

また当院では、在宅ホスピスにも取り組んでいます。患者さんがご自宅に戻られた後も、緊急の治療が必要となったときには受け入れられるよう体制を整えています。緩和ケア病棟と在宅ホスピスの機能でターミナル(終末期)の患者さん・ご家族をサポートしています。

2016年10月より、これまであった病棟の一部を地域包括ケア病棟として開設しました。

治療によって急性期を脱しても、自宅に戻るまでにリハビリが必要な方や療養環境を整えるために時間が必要な方もいらっしゃいます。このような患者さんがスムーズに在宅生活へ移れるよう準備することが、地域包括ケア病棟の役割です。

また、患者さんだけでなく、家族が休養を取るための一時入院(レスパイトケア)にも対応しています。ご家族も含めてサポートし、患者さんの在宅生活をバックアップしています。

今後、当院は、地域の皆さんの健康や幸福につながるような試みを行っていきたいと考えています。たとえば、人とのつながりは、健康増進につながることが分かっています。その一方で社会における孤立は、健康を害することにつながるといわれているのです。特に高齢化とともに増加傾向にある、一人暮らしの高齢の方などをいかに孤立させないかは、大きな課題であると思っています。

当院では、地域の皆さんに向けて映画の上映会を開催するなどの取り組みを行っています。たとえば、このようなイベントを交流の機会にしていただき、できる限り孤立を防ぐよう努めていきたいと考えています。

地域の皆さんに向けたイベントを開催
地域の皆さんに向けたイベントを開催
イベントでお話しする遠山院長
イベントでお話しする遠山院長

当院は、2009年4月より、社会福祉法の規定に基づき、無料低額診療事業に取り組んでいます。無料低額診療事業制度は、経済的に困難な方の医療費負担を軽減するためのものです。

当院では、このような事業に取り組んでいることを地域の皆さんに知っていただけるよう努めています。

私は安全というキーワードを大切にしており、安全と医療の質は切り離すことのできないものと考えています。そのためには、どんなに小さなことでも報告する文化が重要です。医師同士、医師と他職種のスタッフ、医師と患者さんなど、病院に関わる全員でコミュニケーションをとることが大切でしょう。このような円滑なコミュニケーションが、安全につながると考えています。

当院は、できるだけ風通しのよい文化を創り、安全な医療サービスの提供を目指しています。

遠山先生

高齢化が進行するなか、今後はより地域医療が重視され、当院のような地域に密着した中小病院の役割が大きくなると考えています。私は、これからは“中小病院の時代”と考えています。患者さんや地域の皆さんなどと連携を図りながら、地域に根付いた医療体制を一緒に創りあげていきましょう。

当院は、“地域のための病院”であると考えていますので、何かあったときには、気軽に利用していただければと思います。私たちは、地域の皆さんと一緒に地域づくりに取り組んでいくつもりです。地域の皆さんの健康向上や幸せのために、これからも職員一丸となり努力していきます。

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