リスク
検査を受けても、必ずしも遺伝子の変異が見つかるわけではありません。有効な治療を選択するうえで役立つ可能性のある遺伝子の変異が検出されるのは、検査を受けた患者さんのうち約半数といわれています。
また、遺伝子の変異を検出できた場合でも、有効な薬剤が存在しないケースなどもあります。がん遺伝子プロファイリング検査を受けた方のうち、有効な治療法が見つかる方は全体の10%ほどであるといわれています。
また、がん遺伝子プロファイリング検査では多くの遺伝子について調べるため、時にはもともと目的としていた治療の選択肢を広げることとは別に、将来がんを発症する可能性を持つ遺伝子が特定されることがあります(二次的所見)。このように、本来は検査の目的としていなかったがんに関する所見は、患者の希望により聞かないようにすることも可能です。
遺伝カウンセリングについて
がん遺伝子プロファイリング検査を受けた後に、二次的所見が疑われた際には“遺伝カウンセリング”を受けることもできます。このカウンセリングでは、がん遺伝子プロファイリング検査で発見された将来的にがんになる可能性がある腫瘍(遺伝性腫瘍)についての説明を聞くことも可能です。遺伝性腫瘍は家族間で発症する可能性もあるため、家族とカウンセリングを受けることもできます。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス 「がんゲノム医療 もっと詳しく」 (閲覧日:2022年8月8日)
- 国立がん研究センター中央病院 「がんゲノム医療とは」 (閲覧日:2022年8月8日)
- 国立がん研究センター がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査 「よく分かるがんゲノム医療とC-CAT」 (閲覧日:2022年8月8日)
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