症状
がん悪液質の特徴的な症状には体重減少や食欲不振があります。
全身性の炎症によって筋肉や脂肪組織が分解され、食欲が抑えられるなどした結果、体重減少を生じます。
悪液質による栄養不良には、筋肉の分解促進、血糖を下げるインスリンのはたらきの低下、脂質の分解の促進など全身の炎症によるさまざまな代謝異常が関係しています。この代謝異常が進行すると、栄養療法を行っても有効な治療にならず栄養不良が改善されなくなります。
食欲がないなかで、「きちんと食べて体力をつけなさい」などと言われるのは、とてもつらいことです。「食べないとダメだ」と、家族が無理に食事を勧めるような場面もありますが、これによって、患者さんと家族との間に壁ができてしまうこともあります。また、痩せてしまった自分の外見を気にして、外出を避けるようになり、社会から孤立してしまう可能性があります。元気だった頃との比較で考えるのではなく、今のあるがままの状態を受け止められるように、周囲も配慮できるとよいでしょう。
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