原因
アペール症候群は10番染色体にある線維芽細胞増殖因子受容体2 (Fibroblast Growth Factor Receptor 2: FGFR2) 遺伝子の異常により引き起こされます。FGFR2遺伝子の変異は、同じく頭蓋骨縫合早期癒合症に分類されるファイファー症候群やクルーゾン症候群などでも認められます。
アペール症候群の場合、FGFR2遺伝子上の2種類の変異がその発症に関連することが報告されています。約2/3の患者さんで252番目のセリンがトリプトファン (Ser252Trp) に、約1/3の患者さんで253番目のプロリンがアルギニン (Pro253Arg) に置き換わる変異が認められます。
FGFRはFGF (線維芽細胞増殖因子) と結合し、骨の増殖や分化をコントロールする重要な役割を担っています。FGFR遺伝子の変異により、FGFRから持続的なシグナルが入るようになり、その結果、頭蓋や手足の早期癒合が引き起こされると考えられています。
常染色体優性遺伝形式をとりますが、家族例はまれで、突然変異により発症する弧発例がほどんどです。また、父親の年齢が高いほど変異が起こるリスクが高くなることが知られています。
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