あめーばせきり

アメーバ赤痢

最終更新日
2023年04月03日
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2023/04/03
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

アメーバ赤痢とは、“赤痢アメーバ”という原虫(寄生虫の一種)に感染することにより、下痢、血便、腹痛などの消化器症状がみられる病気です。また、赤痢アメーバは血液に乗って体のさまざまな部位に感染することもあり、肝臓、皮膚、脳、肺などに(のうよう)(うみ)の塊)を作ることもあります。

感染経路は便の中に排出される赤痢アメーバのシスト(嚢子(のうし):赤痢アメーバが休眠状態にある形態)が口から体内に入り込む“糞口感染”であるため、主に飲食物などの衛生状態がよくない開発途上国を中心に流行します。しかし、日本国内でも流行地域への渡航者や同性愛者などが感染するケースも少なくありません。

アメーバ赤痢は、病原体である赤痢アメーバを駆逐するメトロニダゾールという薬で治療します。多くは重大な合併症や後遺症を起こすことなく回復しますが、大腸に重度の炎症が波及していたり、穿孔(せんこう)(壁が破れること)

が疑われたりする場合、手術が必要になることもあります。

原因

アメーバ赤痢は、赤痢アメーバと呼ばれる病原体に感染することによって発症します。

赤痢アメーバに感染すると便に赤痢アメーバシストが排出され、便中に排出されたシストがほかの人の口から体内に侵入することで感染します。赤痢アメーバが付着した水や食べ物を口にすることで感染するため、衛生状態がよくない開発途上国を中心に流行する病気です。わが国では、流行地からの帰国者や同性愛者などが発症するケースが多いです。

症状

アメーバ赤痢は赤痢アメーバに感染しても何らかの症状が現れるのは10~20%とされています。発症した場合は血液が混ざった便(イチゴゼリー様粘血便)、下痢、しぶり腹、お腹の痛みなどの症状が現れます。ただし、この病気はこのような消化器症状が出ても発熱などの症状を伴うことは少ないのが特徴です。

まれに腸以外の部位で赤痢アメーバが増殖して瘍を形成する場合があることも知られています。腸以外の病変の多くは肝臓にできますが、皮膚、肺、脳などに膿瘍ができることもあります。そのような場合、発熱、倦怠感、吐き気・嘔吐などさまざまな症状がみられるようになります。

また、赤痢アメーバが腸の中のみにとどまっている場合でも、免疫力が低下している場合や誤った治療が継続されている場合は大腸に穿孔を起こすことがあるため注意が必要です。

検査・診断

アメーバ赤痢が疑われるときは以下のような検査が行われます。

病原体の証明

便の中に赤痢アメーバが排出されているか調べるために糞便検査が必要になります。また、肝膿瘍などを形成している場合は、皮膚から瘍に針を刺して内容物を吸引し、赤痢アメーバが含まれているか調べる検査が行われます。

血液検査

赤痢アメーバに対する抗体価(赤痢アメーバを攻撃するタンパク質の量)を調べる検査が行われることがあります。

大腸内視鏡検査

大腸内の状態を詳しく観察するための検査です。アメーバ赤痢は血便を引き起こすほかの病気との鑑別が難しいことも多く、鑑別診断をするために検査が必要になることも少なくありません。また、確定診断のために内視鏡検査時に大腸の粘膜の一部を採取して顕微鏡で赤痢アメーバの有無を調べることもあります。

画像検査

大腸の状態を評価したり、肝膿瘍などの有無や状態を調べたりするためにCT、超音波などの画像検査が行われます。

治療

アメーバ赤痢の治療は、メトロニダゾールと呼ばれる赤痢アメーバを駆除する薬の投与です。肝膿瘍などを形成している重症なケースでも、基本的にはメトロニダゾールの投与のみで回復が見込めますが、瘍が大きい場合などにはチューブを挿入して膿瘍の内容物の排出を促す治療が行われることもあります。また、重症化して大腸が穿孔した場合は緊急手術が必要です。

予防

アメーバ赤痢を予防するには、衛生状態がよくない発展途上国や流行地に渡航した際は食事前に手洗い・消毒を徹底すること、加熱されていない飲食物は口にしないことが大切です。

また、国内でも周囲に感染者がいることが分かっている場合は、手洗いなどの基本的な感染対策をするようにしましょう。

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