症状
エキノコックス症は感染後、すぐには症状が現れない特徴があり、数年から十数年という長い潜伏期間を経て徐々に症状が出現します。感染する寄生虫の種類によって、症状の現れ方が異なります。
嚢胞性エキノコックス症
単包条虫による嚢胞性エキノコックス症では、主に肝臓と肺に嚢胞(内部に液体成分を含んだ袋)が形成されます。嚢胞は長期間にわたり徐々に大きくなり、それに伴いさまざまな症状を引き起こします。肝臓に寄生した場合は、徐々に腹痛が現れ、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。肺に寄生した場合は、胸の痛みや息切れ、持続的な咳などの呼吸器症状がみられます。また、全身症状として、食欲が落ちて体重が減少したり、体がだるくなったりすることもあります。
多包性エキノコックス症
日本での感染の大部分を占めるのは多包条虫が原因となる多包性エキノコックス症です。主に肝臓に寄生して徐々に組織を破壊していきます。初期の段階ではほとんど症状がないため、気付かないうちに病気が進行することが問題になります。症状が現れ始めると、右上腹部の痛みや違和感、肝臓の腫大、黄疸、全身の疲労感などがみられるようになります。さらに進行すると寄生虫は肝臓からほかの臓器(脾臓、肺、脳など)にも広がっていく可能性があります。
この記事は参考になりましたか?
なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。
「エキノコックス症」を登録すると、新着の情報をお知らせします