検査・診断
非典型例でなければ、特徴や症状の組み合わせからエドワーズ症候群を臨床的に疑うことは比較的容易です。診断を確定する臨床的意義は高いため、疑われた段階で担当医から家族に説明されることも少なくありません。
よく似た症状をもつ病気がほかにも存在するため、確定診断を目的に、しばしば遺伝学的検査が提案されます。
出生前に行われる検査
胎児期の超音波検査を用いて、小さく見える小脳、胎児発育の遅れ、羊水の過多、手足の特徴(折り重なり手指、踵の目立つ足)、心疾患、食道閉鎖などの組み合わせから、エドワーズ症候群を疑います。また、母体血を用いた母体血清マーカー検査(クアトロテスト)、それに加えて胎児の首のうしろのむくみ(NT)の厚さを組み合わせた検査(コンバインドテスト)、母体血を用いた母体血中にある胎児胎盤由来のDNAを調べる検査(NIPT)などの結果から疑われます。
ただし、これらはエドワーズ症候群の可能性を推定するもので、診断を確定することはできません。確定診断には、子宮に針を刺し検体を採取する絨毛検査、羊水検査が必要ですが、流産や早産のリスクを伴います。0.3~0.5%の確率で検査後に流産をはじめとする何らかの異常が発生するといわれています。これらの検査は、妊婦健診の一般的な流れのなかで進められるものではなく、通常の妊婦健診で胎児に違いが認められ、染色体疾患のリスクが高いと判断された場合などに検討されるものです。その際、検査前からの十分な医療情報と心理社会的支援が提供されることが大切で、遺伝カウンセリングを受ける必要があります。検査を受けるかどうかは、妊婦・パートナーの意思決定に委ねられます。
出生後に行われる検査
エドワーズ症候群かどうか診断を確定するには、児の血液を用いて染色体検査が行われます。
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