原因
クーゲルベルグウェランダー病は、SMN遺伝子といった遺伝子異常に伴って生じる病気です。
SMN遺伝子は、脊髄や脳幹部に存在する運動神経の保持に重要なSMNタンパクを産生するのにかかせない情報を保有しています。運動神経は、手足を動かしたり呼吸をしたりするのに必須な神経のひとつです。
SMN遺伝子に異常があるとSMNタンパク産生に悪影響が生じてしまい、神経細胞が死んでしまいます。その結果、筋肉を動かすことができなくなり次第にやせ細ってしまいます。また、これ以外の遺伝子異常の関与も疑われています。
クーゲルベルグウェランダー病は、多くの場合、常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとります。ヒトの細胞には2本の遺伝子が存在していますが、遺伝子異常を1本だけ持つ場合には保因者となり病気を発症することはありません。2本とも異常を示す場合には、クーゲルベルグウェランダー病を発症することになります。
クーゲルベルグウェランダー病では、理論的には25%の確率で病気を発症し、50%は病気の保因者となります。残り25%は遺伝子異常を認めません。
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