ごーはむびょう

ゴーハム病

同義語
ゴーハム・スタウト症候群,大量骨溶解症
監修:

治療

ゴーハム病は現在のところ標準的治療が確立されていないため、根治が困難で、主に対症療法が治療の中心となります。治療方法としては、手術、薬物療法、放射線療法などがあり、病変が限局している場合は手術が行われ、手術が困難な場合には薬物療法や放射線治療が検討されます。

手術による治療は、病変部の切除や注射針・管などで異常に溜まったリンパ液を体外に排出させるドレナージのほか、状態に応じてさまざま方法で行われます。たとえば、胸部に病変が及んでいる場合に行われる胸膜癒着術は胸腔内に薬剤を注入して胸膜を癒着させることで胸水の貯留を防ぐ方法で、胸管結紮術は胸管を結び、リンパ液の漏出を防ぐ手術です。また、硬化療法では病変部に硬化剤を注入して異常なリンパ管を閉塞(へいそく)させます。

薬物療法では、骨が溶けるのを抑制し、合併症に対処するためにさまざまな薬剤が使用されます。これまでにインターフェロン、プロプラノロール、ビスフォスフォネート、ステロイド、イマチニブ、低分子ヘパリン、オクトレオチドなどが用いられたことがありますが、効果が低く、保険適用外です。日本では2021年にシロリムスが世界で初めて新しい治療薬として保険適用となり、大変注目されています。

病変部に放射線を照射する放射線療法は、難治性の乳び胸(リンパ液が胸腔内に貯留する状態)や心嚢水(しんのうすい)(心臓を包む心膜腔に液体が貯留する状態)、胸部に腫瘤性(しゅりゅうせい)の病変がある場合などに選択されますが、小児には晩期合併症(治療終了後に年月が経過してから現れる合併症)が懸念されるため、推奨されません。

そのほか、リンパ液が漏れることで栄養(アルブミン)や免疫グロブリン(抗体)が欠乏するため、アルブミン製剤やガンマグロブリン製剤の補充、高たんぱく食の摂取、高カロリー輸液の点滴などによる栄養療法が必要に応じて実施されます。

最終更新日:
2025年05月09日
Icon close
2025/05/09
掲載しました。

「ゴーハム病」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

実績のある医師をチェック

ゴーハム病

Icon unfold more