原因
神経細胞は、脳や脊髄からの刺激を伝える軸索と、それを節状に覆って刺激をすばやく伝える助けをする髄鞘から構成されています。シャルコー・マリー・トゥース病では、この軸索と髄鞘の構造や機能に関連したタンパクをつくる遺伝子に異常がおこるために病気が引き起こされると考えられています。
これまでに、発症に関わるとされる遺伝子異常が数十個同定されています。なかでも、PMP22遺伝子の重複はもっとも頻度が高い異常で、脱髄型に分類される患者さんの約60~70%(Merritt’s Neurologyに基づく)で認められると報告されています。しかし、このような遺伝子の異常がどのようにして神経細胞の障害を引き起こすのか、その詳細なメカニズムについては2017年時点も研究が続けられています。
また、原因となる遺伝子異常によって症状やその程度が異なることがあります。同じ遺伝子異常であっても、症状が異なる場合もあります。遺伝性とはいえ、原因となる遺伝子によって常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X染色体劣性遺伝など遺伝様式はさまざまなので、必ずしも子どもに遺伝するわけではありません。
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