治療
シャーガス病の治療は、ベンズニダゾール(nifurtimox)やニフルチモックス(benznidazole)によって治療可能であり、特に急性期や先天性感染症の早期段階で投与することで高い治療効果が期待できます。
しかしながら、発症後時間が経つにつれて薬の効果は低下します。いずれの薬剤も1か月以上の長期間内服する必要がありますが、消化管障害や末梢神経障害の副作用が出現することが多く、内服継続が困難になることもまれではありません。
慢性期の治療については合併症の形態に応じて、適宜治療方法が選択されます。心筋症に対しては、心不全に対しての内服薬や場合により心臓移植が行われます。不整脈に対しては、抗不整脈薬やペースメーカーなどが使用されます。消化管症状に対しては、手術的な介入が行われることもあります。
輸血にともなって病原体が広がることもありえるため、日本においてもシャーガス病が発症する可能性はあります。事実、2013年8月には、中南米出身の献血者からの輸血製剤がシャーガス病の病原体に対して抗体検査が陽性であったと報告されています。幸い、同輸血検体からの感染拡大例はありませんでしたが、より安全に輸血が行うことができるように、2016年8月に日本赤十字社は献血に対していくつかの変更を行っています。具体的には、全輸血製剤に対してのシャーガス病抗体検査の実施、中南米出生者などに対しての献血制限です。
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