症状
病原体に感染したとしても、急性期に明らかな症状を認めないことも多々あります。症状が出現する場合は、感染後1~2週間の潜伏期間の後に症状が出現し始めます。原虫が侵入部位は、「シャゴーマ」と呼ばれる、赤い発疹が出現します。
もし侵入門戸が眼球である場合には、結膜炎、眼瞼の腫れ、耳前リンパ節腫脹などが出現しますRomaña signと呼ばれます)。多くの急性期症状は2か月ほどで改善しますが、ときに心筋梗塞や図膜炎や脳炎等を発症して致死的になることもあります。特にエイズ患者では重症化する確率が高くなります。
その後さらに数年ないし数十年の経過の後、20~40%の方に慢性疾患が発症します。症状が出現する腫瘍臓器は心臓と消化管です。心臓では慢性心筋症からの心不全、完全房室ブロックや心室性不整脈などからの失神、最悪の場合には突然死が発症することもあります。
消化管に対する影響としてはアカラシアやヒルシュスプルング病に似た症状が出現します。具体的には嚥下困難とそれに関連した誤嚥性肺炎、長期間持続する重度の便秘および腸捻転などです。 妊婦がシャーガス病の影響を受けると、流産や死産が生じます。胎盤を介して赤ちゃんに対しても感染が成立することもあります。
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