検査・診断

ナルコレプシーかどうかを診断するための検査には、睡眠ポリグラフ(Polysomnography:PSG)検査と反復睡眠潜時検査(Multiple Sleep Latency Test:MSLT)、HLA遺伝子型検査、脳脊髄液検査(のうせきずいえきけんさ)があります。

睡眠ポリグラフ検査

睡眠ポリグラフ検査は、脳波、筋電図、心電図、眼電図、呼吸センサー、酸素飽和度、胸・腹部の動きなどを同時に記録し、睡眠の質や量を評価する検査です。一般的には、検査は一晩かけて実施し、夜に起こるさまざまな睡眠障害について確認されます。

ナルコレプシーは、眠りについた直後(15分以内)にレム睡眠(脳活動が活発な状態で、夢を見ることがある)が認められるといわれています。また、終夜のポリグラフ検査に続けて、昼間の眠気の重症度を調べる反復睡眠潜時検査(MSLT)を行います。

HLA遺伝子型検査

ナルコレプシーの90%以上の方は、白血球の血液型であるHLAが特定の型を持つことが知られています。日本のナルコレプシー患者さんの場合、HLA- DQB1*06:02という遺伝子型の組み合わせを持っていることが特徴です。

ただし、健常者も12~38%が同様の遺伝子型を持つため、診断基準には組み込まれていません。

脳脊髄液検査

脳脊髄液検査では、オレキシン(視床下部から出る覚醒性の神経伝達物質)の濃度を測定します。ナルコレプシーの場合、特に典型的な情動脱力発作をもつ患者さんの約90%は、脳脊髄液中のオレキシン濃度が異常低値を示すことが報告されています。

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