症状
ハンチントン病では、脳の大脳基底核や大脳皮質が萎縮することによって、不随意運動をはじめとする運動症状、性格変化や行動変化などの精神症状が現れ、徐々に認知障害も出てくるようになります。
症状の出方は患者さんによってさまざまです。運動症状から始まる場合もあれば、精神症状から発症する場合もあります。
運動症状
ハンチントン病の運動症状は舞踏運動と呼ばれる不随意運動です。これは自分の意思とは無関係に体が動いてしまう不随意運動の一種で、手先が不規則に動く、首を動かす、しかめ面をする、頻繁にまばたきをする、舌打ちをするなどの症状が現れます。お箸を使う、字を書くなどの細かい動作がしにくくなることも多く、また同じ動作を続けるのが難しくなるために物を落とす、転ぶなどの症状もみられます。発症初期には、一見落ち着きがないように周囲から見られることが多いです。
病気が進行するとあらゆる動作がしにくくなって、歩く、食べる、話すなどの動作も困難になっていき、日常生活に介助が必要な状態となります。
精神症状
精神症状としては、怒りっぽくなる、不機嫌になる、感情が不安定になるなどの性格変化、何かにこだわって同じことを繰り返すといった行動変化がみられることがあります。
意欲の低下、幻覚、妄想、うつ状態、不眠などの症状が現れることもあり、衝動的に自殺を図ろうとする場合もあります。
認知障害においては、アルツハイマー病などの病気と異なり、ハンチントン病では物忘れや記憶障害が軽い場合がほとんどで、記憶障害よりも注意力や遂行能力の低下が表立ちます。
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