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ハンチントン病の症状。不随意運動や精神症状などが現れ心身ともに蝕まれる
ハンチントン病は遺伝子の一部が変化(突然変異)することによって運動機能や認知機能に影響を及ぼす遺伝性の病気です。その症状は多岐に渡り、やがて心身ともに侵されていきます。ハンチントン病の症状につい...
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ハンチントン病の症状。不随意運動や精神症状などが現れ心身ともに蝕まれる

公開日 2015 年 08 月 24 日 | 更新日 2018 年 10 月 22 日

ハンチントン病の症状。不随意運動や精神症状などが現れ心身ともに蝕まれる
後藤 順 先生

国際医療福祉大学三田病院神経内科教授・部長

後藤 順 先生

ハンチントン病は遺伝子の一部が変化(突然変異)することによって運動機能や認知機能に影響を及ぼす遺伝性の病気です。その症状は多岐に渡り、やがて心身ともに侵されていきます。ハンチントン病の症状について、国際医療福祉大学三田病院神経内科部長の後藤順先生にお話をお聞きしました。

ハンチントン病の症状

ハンチントン病の発症初期は「最近落ち着きがない、行儀が悪くなった、動きが鈍くなった」などと言われたり、運動機能の障害を示したり、鬱のような精神症状があらわれたりなど、人によって初期症状は異なります。

その他、まばたきを頻繁に行う・顔が歪んでしかめ面になる・腕や脚が無意識に踊るように動くなどの症状が現れ、進行すると全身くまなく影響が及んできます。また、いらだちや興奮を起こしやすくなり、はっきりとした原因もないのに怒り出すなど、他者の言うことを聞かなくなります。そのため、人が変わったかのように見られてしまうこともあり、さまざまなトラブルを引き起こしやすくなります。ただし、これは患者さん本人も自覚しておらず、何が悪いかすら把握できていない場合がほとんどです。

認知機能にも障害が生じると、徘徊(目的もなく近所などを歩き回ること)や発作的な感情失禁、記憶の喪失なども症状として現れます。
このようにして病気が進行していくとやがて寝たきりになることも少なくありません。寝たきりになれば肺炎や尿路感染などを合併して死亡する危険性もあるため、当然介護は必要です。しかし患者さん本人が介護を受け入れないケースも多く、介護者と患者の間に摩擦が生じることもあり、介護の難しいこともままあります。

舞踏運動(不随意運動)をはじめとした運動機能について

  • 舞踏運動(不随意運動)

舞踏運動は不随意運動の一種(自分の意志に関わらず生じる体の動き)で、この病気の特徴的な症状です。具体的には、手・首・顔・舌など、顔面を始めとした運動が目立ちます。手足の不随意運動が強くなると歩行なども難しくなり、動作のコントロール全般が難しくなります。このような運動障害は発症後10年以上にわたって悪化します。精神的ストレスは症状を増悪させます。

  • そのほかの運動障害

ハンチントン病が悪化するにつれ、動作の緩慢・筋強剛(固縮)・ジストニア(自分の意志に関わらず筋肉が持続的に収縮し特異な姿勢・姿位を取るような運動症状)などの運動症状がみられるようになります。また、小児の場合はパーキンソニズム(筋強剛(固縮)を主症状とする)から症状が始まります。

その他に見られる徴候として眼球の運動障害もあります。末期になると嚥下障害も起こり、日常生活のあらゆる面で患者さんは負担を強いられることになります。

精神機能について

  • 精神症状

主な精神症状は性格の変化と行動の変化です。具体的には、「怒りっぽくなった」「常識的ではない行動を繰り返すようになった」などが中心となります。
抑うつ症状も顕著に表れることがあります。ふさぎ込みや落胆などが症状としては目立ち、あまりにもうつ症状が強くなってしまうと患者さんは自殺を企ててしまうことすらあるため、注意が必要です。ハンチントン病患者さんには自殺が多いこともこの病気の特徴といわれています。

認知機能について

ハンチントン病患者さんの認知能力の変化としては、忘れっぽさ・思考判断が鈍く遅くなる・認知能力の障害などがあります。

初期に柔軟な思考ができなくなり、こだわり・自分の考えへの執着が強くなり、物事を進める能力などが徐々に無くなっていきます。また、何かの記憶を思い起こすことが難しい記憶障害も起こることがありますが、十分な時間とヒントを与えてあげることで思い出せることもあるようです。
このように、ハンチントン病初期の記憶障害は、アルツハイマー病などの認知症と比較すると軽度で済みます。しかし、その反面注意力や集中力は初期段階で損なわれてしまうことが多いと言われています。

以上のようにハンチントン病には様々な症状がありますが、不随意運動が主症状なのか精神症状が主症状なのかは個々の患者さんによって異なり、一概に述べることはできません。
主症状が精神症状であれば、周りの方々は不随意運動に目が向かず、不随意運動に気づいたときにはそれがいつから起こっていたのかわからないパターンもあります。

 

 

記事1:ハンチントン病とは。遺伝子の異常によっておこる遺伝性の疾患
記事2:ハンチントン病の症状。不随意運動や精神症状などが現れ心身ともに蝕まれる
記事3:ハンチントン病の原因とは。遺伝が原因となり、次世代へ病が引き継がれることも
記事4:ハンチントン病の治療と日常生活の注意点

東京大学医学部を卒業後、同大学医学部付属病院神経内科・国立療養所東京病院神経内科・国家公務員共済組合連合会虎の門病院神経内科・マッギール大学留学を経て、国際医療福祉大学三田病院神経内科教授・部長。日本神経学会認定医の資格を所有し、日本神経学会の代議員も務めるなど、神経学分野において圧倒的なスペシャリティを持つ。執筆論文・執筆著書ともに数多く発表されており、神経疾患治療の発展に大きく貢献している。