治療
バセドウ病と診断された場合は、重症度などによって次のような治療が行われます。
薬物療法
基本的に、バセドウ病の治療は甲状腺ホルモンの分泌を抑える”抗甲状腺薬”を用いた薬物療法から行います。服用を続けると1~2か月ほどで甲状腺ホルモンは正常値となることが多いとされていますが、治療はTSH受容体抗体の産生がストップするまで続ける必要があるといわれています。
放射性ヨウ素内用療法
甲状腺はヨウ素が蓄積しやすい臓器です。その性質を利用したのが放射性物質を含むヨウ素を内服し、甲状腺に蓄積した放射性物質によって甲状腺組織の破壊を促す放射性ヨウ素内用療法です。甲状腺ホルモンを分泌する細胞が減少するため、バセドウ病の根本的な治療が望めます。
しかし、この治療法は実施できる施設や年齢が限られており、治療効果が高すぎると甲状腺ホルモン分泌量が過度に少なくなってしまうことがあります。
手術
バセドウ病のもっとも効果が高い治療法は、手術によって甲状腺自体を摘出することです。薬物療法などほかの治療法で十分な効果が見られない場合、副作用で薬物療法が行えない場合などに実施されます。
バセドウ病に伴う“甲状腺眼症”を知っていますか
提供:アムジェン株式会社
監修:オリンピア眼科病院 神前あい先生
目を守るためには早期に適切な治療を受けることが大切
主にバセドウ病(甲状腺機能亢進症)やまれに橋本病(慢性甲状腺炎)に合併する症状の1つに“甲状腺眼症”があります。これは目の自己免疫疾患で、目の周りにある脂肪や目を動かす筋肉に炎症が起こる病気です。これにより、瞼が腫れたり、眼が飛び出してきたり、眼が動かしにくくなり、ものが二重に見えたりするようになることがあります。
“甲状腺”という名前がついていますが、甲状腺眼症に対してはバセドウ病とは異なる治療が必要となります。バセドウ病が悪化すると甲状腺眼症も悪くなることが知られているため、まずは甲状腺機能を安定させることが重要です。一方で、甲状腺機能が安定していても、甲状腺自己抗体が陽性の症例では甲状腺眼症が悪くなる場合があることから、バセドウ病の治療中は目の症状に注意しましょう。また、バセドウ病と診断される前に甲状腺眼症が発症することもあります。

また、頻度は数%と少ないですが、重症化すると視神経障害などによる失明の恐れもあるため、早期に見つけて、適切な治療を受けることが重要です。少しでも気になることがあれば、一度チェックシートを使って確認してみましょう。



*近くではなく少し遠くを見てください(ドアの端やカレンダーなど)
作成年月:2024年11月
実績のある医師
周辺でバセドウ病の実績がある医師
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