治療

ピルは正しい服用方法を守らなければ十分な効果を得ることができない薬です。具体的には、それぞれ次のような服用方法を心がけましょう。

低用量ピル

低用量ピルは、含有されるホルモン量や開発された時期によって第1~第4世代までの4種類があります。

現在、もっとも多く使用されているのは第3世代のタイプで、月経開始日から21日間にわたって卵胞ホルモンと黄体ホルモンが同量含まれた薬を服用します。服用を中止すると3~4日ほどで薄い子宮内膜が剥がれ落ちる“消退出血”と呼ばれる出血が生じます。そして、7日間の休薬を経て再びホルモンが含まれる錠剤の服用を続けることとなります。

低用量ピルは通常、1枚のシートに21錠、または28錠分の錠剤が含まれています。21錠タイプのものは飲み切った後に7日間休薬してから再び次のシートの錠剤を服用します。

一方、28錠タイプのものはホルモンが含まれた21錠の錠剤のほかにホルモンが含まれていない7錠の“偽薬”が含まれるのが特徴です。偽薬をそのまま飲み続けることで、21錠タイプのように7日間の休薬期間を設けなくてよいため、飲み忘れや飲み間違いを防ぐことができます。

中用量ピル

中用量ピルは主に月経日を移動する目的で使用されます。

月経を早めるためには、月経開始予定日の3週間ほど前から10日間程度にわたって低用量ピルを服用します。服用を中止すると2~5日で月経が生じることとなります。

一方、月経を遅らせるには月経開始予定日より5日ほど前から遅らせたい時期まで中用量ピルの服用を続けます。服用を中止すると2~5日ほどで月経が生じます。

ただし、月経周期に乱れがあるなど月経開始日が予測しにくい方は、その旨を必ず医師に伝えるようにしましょう。

アフターピル

アフターピルは無防備な性行為があってから72時間以内に服用する必要があります。

一般に“morning after pill”からアフターピルと呼ばれることもありますが、緊急避妊薬(emergency contraceptive:EC)が正しいです。

現在主流となっているアフターピルは1回のみ服用するタイプのものであり、性行為から時間が経過する前に服用するほど避妊効果が高まるとされています。24時間以内に服用すれば妊娠阻止率は95%とのデータもありますので、妊娠を望まないものの思い当たる行為があった場合はできるだけ早く医師の診察と処方を受けるようにしましょう。しかし、妊娠阻止率は100%でないので、次回月経が来なければ、来院が必要となります。

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