ぶるせらしょう

ブルセラ症

最終更新日:
2024年11月15日
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2024/11/15
更新しました
2017/04/25
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概要

ブルセラ症とは、ブルセラ属菌と呼ばれる細菌に感染することによって起こる感染症です。波状熱、マルタ熱、地中海熱と呼ばれることもあります。

家畜などの動物とヒトが共に感染し得る病気で、ヒトへの感染は動物からの感染が主な原因になります。ヒトからヒトへの感染はほとんど起こりません。

ブルセラ属菌に感染すると、通常では数週間、長い場合は数か月ほどたってから、発熱、関節痛、倦怠感などの症状がみられます。

特に地中海地域、中国、インド、西アジア地方、中南米、アフリカ地方などでよくみられ、世界的には毎年およそ50万人の患者が発生しているといわれています。日本国内での患者は年間数例ほどです。

原因

ブルセラ症は、ブルセラ属菌に感染した動物から感染し発症することがほとんどです。ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、イヌなどが主な感染源として知られています。

主な感染の原因としては、感染した動物の乳やチーズ、肉などの食品を十分に加熱せずに食べてしまうことが挙げられます。また、感染した動物は流産や死産を起こし、流産胎児などと共に菌が排出されるため、直接触る、空気中に浮遊した菌を吸い込むなどして感染することもあります。尿や精液、乳にも菌が含まれるため、感染した動物に触れた際などに傷口から感染が生じることもあります。

ヒトからヒトへの感染はほとんどみられませんが、授乳、性交、臓器移植などで感染した事例もあります。

症状

ブルセラ症を発症すると、発熱、関節などの痛み、倦怠感などインフルエンザのような症状が現れます。中でも骨や筋肉に及ぼす影響が大きいとされ、全身的な痛みや倦怠感が生じるとされています。

また特徴として、夕方から夜に発熱し、朝には熱が下がります。このような発熱と解熱を数週間繰り返した後、1~2週間ほど症状が落ち着く期間を経て、再び発熱と解熱を繰り返すようになります(波状熱)。

病気の期間は患者によりさまざまですが、発症後、数年にわたり脱力感や疲労感が続くこともあります。

合併症としては、仙腸骨炎など骨や関節に関する症状が多く現れます。そのほか、肺炎膵炎(すいえん)、精巣炎、心内膜炎などが生じる可能性があり、心内膜炎は致死的であるため注意が必要です。

検査・診断

ブルセラ症にみられる症状があり、渡航歴や動物との接触など感染する機会がある場合には、ブルセラ症の可能性を考慮し検査を行います。

検査としては、血液や体液などを用いて、ブルセラ属菌やその遺伝子、抗体の有無などを調べます。検査の結果と、症状や感染機会の有無を確認して診断を行います。

治療

ブルセラ症はブルセラ属菌と呼ばれる細菌への感染により生じるため、薬物療法として抗菌薬を使用します。また、合併症が生じている場合はその症状に応じた治療が行われます。

予防

ブルセラ症には予防接種はありません。流行している地域へ渡航する場合には、殺菌していない乳製品や加熱の不十分な肉類は食べないようにしましょう。また、感染の可能性がある動物との接触に注意することも大切です。

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