治療
ワキガと診断された場合は、症状の程度や患者の希望に合わせて次のような治療が行われます。
生活指導
軽度なワキガに対しては、小まめに汗を拭き取る、吸水性のよい衣類を選ぶ、適度に脱毛するなど、日常生活上の注意を促す生活指導が行われます。
薬物療法
生活指導を行っても症状が改善しない場合は、アポクリン腺からの汗の分泌を抑える塩化アルミニウムローション、皮膚に潜んでいる細菌の増殖を抑える抗菌薬入りの軟こうなどが使用されます。
また、塗り薬だけでは十分な効果が得られない場合は、アポクリン腺のはたらきを低下させるためにボツリヌス毒素を腋の下に直接注射する治療を行う医療機関も少なくありません。
手術や特殊治療機器による治療
薬物療法が効かない重度なワキガに対しては、アポクリン腺を切除する手術や特殊な機械でアポクリン腺を破壊するような治療が行われることがあります。
このようなワキガの治療法については、健康保険が適用されるものとそうでないものとがあることに注意が必要です。健康保険の適用が認められているのは皮弁法や皮膚有毛部切除術などのいわば通常の手術治療であり、特殊な機器を用いてアポクリン腺を処理する治療は健康保険の対象外となっています。健康保険対象外の治療の場合には自費診療ということになり治療費の公定価格はないので、治療費は各医療機関がそれぞれに設定している額になります。高額な治療費にはなるものの特殊な機器を用いることの利点は、手術を受ければ残る腋の傷あとが特殊な機器を用いれば小さな傷あとで済む、あるいは傷あとなしで済むという点です。特殊な機器にも種類があり、超音波を利用する機器、マイクロ波を利用する機器、ラジオ波を利用する機器などさまざまなものがあります。
なお、健康保険適用の治療法であってもなくても、アポクリン腺の取れ具合や合併症の頻度はそれぞれの治療法の特徴や施術者の技量によって異なります。手術を希望する際には、まずは信頼できる医療施設を選び、その医療施設における治療費用や臭いの取れ具合、合併症の頻度、さらに手術後の経過などについて詳しい説明を受けるようにしましょう。
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