にゅうせんえん

乳腺炎

乳房

目次

項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

概要

産褥期にみられる乳腺の炎症を乳腺炎といいます。産褥期とは、分娩がおわり、女性の体が妊娠前の状態に戻もどっていく期間のことをいいます。

産褥乳腺炎には、「うっ滞性乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」の2つがあります。うっ滞性乳腺炎は、乳汁が何らかの原因により乳腺内にとどまってしまうことで起こる生理現象であって、真の炎症ではないといわれています。

原因

うっ滞性乳腺炎は、授乳回数が少ない、効果的な吸啜(きゅうてつ)(赤ちゃんが母乳を吸うこと)が行われていない、といったことにより、母乳が乳腺の出口に詰まってしまうことで起こるものと考えられています。また、関連は分かっていませんが、高塩分・高脂肪の食事でうっ滞性乳腺炎になりやすいといわれています。

化膿性乳腺炎は、赤ちゃんが母乳を吸う際に、赤ちゃんの口を介して細菌が感染することによって発症します。

症状

産褥24〜48時間は生理的な乳房の腫脹と疼痛があります。これは乳汁のうっ積といわれます。その後乳腺の出口の閉塞などにより乳汁の排泄が抑制されると、うっ滞性乳腺炎に進行します。

うっ滞性乳腺炎の症状

産褥3~4日ごろに乳房の腫脹、疼痛、熱感、硬結、発赤などの症状が出現します。

化膿性乳腺炎の症状

さらにこのうっ滞が解除されずに、乳腺の出口から細菌に感染すると化膿性乳腺炎に進行します。化膿性乳腺炎では、上記のうっ滞性乳腺炎のような症状に加えて、38℃以上の高熱、腋窩リンパ節の腫脹、血管の怒張などの症状が出現します。また、排出される母乳は黄色く粘稠性が高いものとなります。

検査・診断

乳腺炎の診断に際して検査は特に行われません。出産した病院、または最寄りの産婦人科に受診し、助産師、医師に乳房の様子を診てもらいます。

受診の際には、授乳の様子を診る場合があるため、病院からの指示があれば赤ちゃんを連れて行くことをお勧めします。授乳時に吸着が浅くなっていないか、授乳回数は少なくないかなどの問診が行われます。

治療

乳腺炎の治療は、基本的に助産師の行う乳房マッサージです。うっ滞性乳腺炎の場合は、乳腺の出口の詰まりをマッサージにより解除し、乳腺の中に貯留していた母乳を排泄させます。

また、授乳の方法の確認をします。母乳のうっ滞は赤ちゃんに吸ってもらい解除できるのが一番効果的であるため、しこりなどが確認できたら、いつも行っている授乳とは角度を変えて授乳するように指導が行われます。また、自分でできる乳房マッサージの指導もなされます。

化膿性乳腺炎になってしまった場合には助産師だけでなく、医師の診察も受けます。この場合は薬物療法(解熱鎮痛剤、抗生物質など)が行われます。重症の場合には、切開して乳腺の中にある膿を排出させることもあります。

この記事をみた人は、
こんな病気も調べています。