予防
先天性股関節脱臼では、脱臼のリスク(女児、血縁者の股関節の変形、骨盤位)については予防することができません。一方で、脱臼が生じやすくなる外部的な要因を知っておくことで、発症を予防したり悪化を防いだりすることが可能です。
予防として、乳児が歩き始めるまでは、股関節に負担がかからないよう注意が必要です。具体的には以下の事項に注意しましょう。
- 乳児が寝ているときは、脚を“M”の字のように曲げた姿勢で、脚を自由に動かせるようにする
- 衣服やおむつによって、脚を伸ばした状態にならないようにする
- 左右への“向き癖”がある場合は、向いている方向と逆の膝が、まっすぐになった状態(立て膝)や、内側に倒れこんだ状態にならないようにする
- 抱っこをする際も、脚を伸ばさせず、脚が“M”の字に曲がる形(コアラ抱っこ)になるようにする
早期発見・早期治療により、治療の負担を軽くすることが可能で、経過も良好といわれています。日常生活での対策を行ったうえで、股関節が開きにくい、太ももや鼠径部のシワが左右対称でない、寝ているときの脚の位置が左右対称でないなどの特徴がみられた際は、よく観察して医療機関の受診を検討するとよいでしょう。
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