原因
骨盤にはくぼみを形成している寛骨臼または臼蓋と呼ばれる部分があります。また、太ももを形成する大腿骨の上端には、大腿骨頭と呼ばれる、丸みを持つ部分があり、それが骨盤のくぼみである寛骨臼にはまり込むことで股関節は形成されています。
しかし、乳児期は股関節が未発達で、寛骨臼のくぼみや股関節が、適切に形成されていない場合があります。先天性股関節脱臼とは、大腿骨頭が寛骨臼から完全に外れている(脱臼)、または外れかかっている(亜脱臼)状態のことをいいます。
先天性股関節脱臼の原因としては、先天的な因子や出生後の生活習慣など、さまざまなものが想定されています。出生前の環境因子としては、骨盤位を代表とする胎位の異常、多胎妊娠、子宮筋腫、羊水過少などがあります。また、出生後の環境因子としては、窮屈なオムツや肌着、抱き方やスリングの使用などがあります。これは股関節がつよく曲げられた位置、あるいは伸ばされた位置で固定されてしまうことから、先天性股関節脱臼が発症すると考えられています。
また、こうした環境因子以外にも、染色体異常や先天性多発性関節拘縮症など、先天奇形として発症するタイプの先天性股関節脱臼も知られています。
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