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副耳

最終更新日:
2024年12月19日
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2024/12/19
更新しました
2018/07/06
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概要

副耳とは、生まれつき耳の前などに生じる小さなイボ状の突起です。突起は皮膚のみで構成される場合もあれば、軟骨が入って、しこりのようになる場合もあります。またイボ状のものだけでなく、凹んでいるものもあります。副耳は多くの場合、片耳付近に単独でみられますが、両耳に認める場合や複数みられる場合もあります。

副耳が生じる原因は明確に解明されていませんが、遺伝か、胎生期に耳が作られる過程で何らかの異常が生じることが原因と考えられています。発症する確率は新生児の1,000人に15人と、比較的発症頻度の高い先天性形態異常といわれています。

副耳は、耳の周囲にイボを認める以外に自覚症状はほとんどありませんが、イボの付け根部分に湿疹ができやすいといわれています。また、イボが顔や首などに存在する場合は、整容の観点で懸念されることがあります。

イボが小さく軟骨を含まない場合は、生後すぐに糸で縛ることで自然に脱落させる処置(結紮術(けっさつじゅつ))を行います。しかし、軟骨が入り込んでいる場合は全身麻酔を使用した手術が行える年齢になるのを待ち、外科的に切除します。

原因

副耳は、胎児期の耳の発生過程に何らかの異常が生じることが原因と考えられています。

耳介(外から見える耳の部分)は胎生期の4〜20週頃に形成されます。耳介は複雑な過程によって形成されるため、もっとも先天的な異常が現れやすい部位といわれています。そのため、副耳が生じる場合は、耳介の変形や耳の病気を伴うケースもあります。このほか、遺伝によって副耳が生じることもあります。

症状

一般的には、片方の耳の前にイボが1つのみ生じますが、両耳に副耳ができたり、複数の副耳が生じたりするケースもあります。イボの大きさは、ゴマ粒程度のものから大豆程度までさまざまです。また、耳の前だけでなく、頬や首などにイボを認めることもあり、首に生じた場合は頸耳(けいじ)と呼ばれます。

イボが柔らかい場合は皮膚のみで副耳を形成していると考えられますが、イボの中にしこりが感じられる場合は、軟骨が侵入しているケースもあります。このほか、イボ状ではなく、へそのような凹みが現れる症例もあります。

一般的に副耳はほかに症状や機能面の障害を伴わないものの、イボの付け根に湿疹ができやすくなることがあります。また、イボが大きかったり目立つ部位に存在したりする場合には、見た目が気になるといった整容面の問題が生じることもあります。

検査・診断

副耳の診断に特別な検査は必要なく、一般的に視診で診断されます。

耳が聞こえにくいなどの異常を伴う可能性がある場合は、聴力検査などを行うこともあります。

治療

副耳の治療法には、イボの根本を糸で結ぶ結紮術と、手術で取り除く切除術が挙げられます。

イボが小さい場合や軟骨を含まない場合は結紮術が検討されます。結紮術では、生後早期にイボの根本を医療用のナイロン糸で縛って血流を断つことで、イボが壊死(えし)し1〜2週間程度で自然に脱落します。

イボの中に軟骨を含む場合は、結紮術を行ってもイボの一部が残ることがあるため、切除術が考慮されます。切除術が必要な場合は、通常1歳前後に全身麻酔を使用して外科的にイボを切除します。

このほか、耳介の変形を伴う場合は、同時に形成手術が行われることもあります。

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