ちずじょうぜつ

地図状舌

同義語
良性移動性舌炎
最終更新日:
2024年11月06日
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2024/11/06
更新しました
2017/04/25
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概要

地図状舌とは、舌の表面や側面に、周囲が白色の円形または半円形の境界明瞭なまだらな紅斑(赤い病変)が多数みられ、隣接する紅斑同士が融合して地図のようにみえる病変のことです。日によって位置と形態を変えるのが特徴で、良性移動性舌炎ともよばれています。幼児や若い女性に多く、家族内でみられることもあります。

地図状舌は、病巣の出現と消失を繰り返しますが症状を伴わない場合が多く、その多くは治療対象となりません。発症率が年齢とともに減少することから、時間の経過とともに自然に消失するともいわれています。

原因

地図状舌の明らかな原因は不明ですが、ビタミンBの不足、心身のストレス、体質異常、内分泌障害、遺伝的素因の関与が考えられています。また、アトピー性皮膚炎乾癬(かんせん)などの皮膚の病気との関連も考えられています。舌に多数の溝がみられる溝状舌(こうじょうぜつ)を合併している場合が比較的多いため、溝内の微生物による刺激も原因として考えられています。

症状

舌の表面には、舌乳頭(ぜつにゅうとう)とよばれる無数の小さな突起があり、構造によって糸状乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭、有郭乳頭の4種類に分けられます。地図状舌は、舌の表面全体に広がって存在する糸状乳頭が消失あるいは平坦化することで紅斑が生じます。紅斑の周囲は糸状乳頭の上皮が厚くなることで白くなり、1~3mm幅で白色の帯状に縁どられます。

自覚症状はほとんどありませんが、刺激物を口にした際に“しみる”という症状や、歯や歯の詰め物などが当たった際に“ヒリヒリする”などの刺激痛、軽い味覚異常がみられることがあります。

検査・診断

地図状舌は、臨床所見(見た目)から診断されることがほとんどです。

ほかの病気が疑われる場合には病変の一部を採取し、顕微鏡で調べる組織検査が行われるほか、刺激痛や味覚異常が強くカンジダ感染が疑われる場合には原因菌を調べるために細菌検査を行うこともあります。

治療

地図状舌は、症状がなければ特に治療の必要はありません。刺激痛などの症状が強い場合には、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物のうがい薬や副腎皮質ステロイドの塗り薬を使用することがありますが、症状が自然に軽減したり消失したりすることも多くあります。また、歯や歯の詰め物が紅斑部に当たっている場合には歯や詰め物の表面を整えたり、口腔(こうくう)内を清潔に保つことを指導したりします。

予防

地図状舌は明確な発症メカニズムが解明されていないため、確実な予防法はありません。

しかしながら、食事やストレス、口腔内の微生物の関与が考えられるため、刺激の強い食べ物を避けたり、ストレスを発散したりするなどの生活習慣の改善や口の中を清潔に保つように心がけることが予防につながるかもしれません。

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